シトロエン C3 WRCを市販モデルと画像で比較 | フランスの小型車が“カッコカワイイ”ラリーカーに大変身!

シトロエン C3 WRC

WRC第12戦に勝利したシトロエン C3 WRCに迫る

2018年10月25日〜28日にかけて開催された世界ラリー選手権(WRC)第12戦スペインで、シトロエンからスポット参戦したセバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ組が2013年以来となる勝利を飾った。

今回の勝利で、通算79勝目となったローブ選手。かつてシトロエンチームで輝かしい戦績を収めた彼が、再びチームへ勝利というプレゼントを贈るかたちとなった。

チームは現在、2018年11月15日から開幕している最終戦オーストラリアに備えている。

ところで、現在シトロエンからWRCへ参戦している車両は「C3 WRC」というラリーカー。この車のベースとなったC3は、日本でも販売されている。日本国内でのセールスも好調ということから、街で目にしたことのある方も多いのではないだろうか。

今回は、ラリー仕様のC3 WRCと市販バージョンのC3を比較していきたい。

◆“カワイイ”C3と“カッコカワイイ”C3 WRCを画像で見比べる

C3 WRCと市販版C3を比較:デザイン編

シトロエン C3 WRC
シトロエン C3

C3 WRCを見ると、市販モデルと比べて非常にたくましいフォルムをしていることがひと目で分かる。横に張り出しているフェンダーや、大型のエアロパーツなどが取り付けられたことで高い戦闘力を予感させつつも、弧を描いたボディ全体のシルエットが市販車の可愛らしさを感じさせるのが印象的だ。ボディ側面に取り付けられた「エアバンプ」と呼ばれる装飾品が、モチーフとしてC3 WRCにも残っている点も興味深い。

シトロエン C3 WRC
シトロエンC3

ボディ後方に着目すると、リアバンパーの形状が市販モデルとやや異なっていることがわかる。未舗装路も走ることがあるC3 WRCの場合、リアバンパーの形状は非常に重要。荒れた路面で泥や雪の排出性を高めるため、慎重に設計された。リアウインドウの後ろに構える大型のリヤスポイラーは、下部エレメントの「ショベル」と複雑な形状のアッパーエレメントで構成される二段構成。

C3 WRCと市販版C3を比較:走行性能編

シトロエン C3 WRC
シトロエン C3シャイン

C3 WRCに搭載されているエンジンは、最高出力約380馬力を発揮する1.6リッター4気筒ターボエンジン。全長わずか約4.1mのボディには不釣り合いなほど高性能なレース用エンジンだ。これに、6速シーケンシャルトランスミッションと4輪駆動システムが組み合わされる。

一方、市販されているC3には、1.2リッター3気筒ターボエンジンと6速オートマチックトランスミッションが搭載されている。最高出力は110馬力となっており、街乗りで十分な走りを見せるスペックとなっている。

これだけ最高出力が違うにも関わらず、車両重量はC3 WRCが1190kg、市販モデルのC3で1160kgと、ほとんど変わらないのも興味深い。

「C3 WRC」「C3 フィール(市販モデル)」スペック比較

シトロエン C3 WRC
シトロエンC3

C3 WRCが最終戦で見せる走りに期待

シトロエン C3 WRC
シトロエン C3シャイン

ここまで2台の違いを比較してきたが、C3 WRCがベース車のデザインを活かした上で、世界の第一線で戦える高性能なラリーカーに仕上げられたことがわかる。これから、皆さんが街でC3を見かけるときに受ける印象が変わるかもしれない。

WRC最終戦オーストラリアで激走するC3 WRCの活躍に期待大だ。

[筆者:オートックワン編集部]

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