V・ファーレン長崎の「奇跡」を信じよう スポーツeye

 「勝てるところには勝てている。決して弱いチームじゃない」「他力でも残ってほしい」「万が一落ちたとしても、応援は続けていく」-。
 そんな感想を聞いたのは、10日の横浜M戦に0-1で惜敗した直後。悔しそうに諫早市のトランスコスモススタジアム長崎を去るファンからだった。サッカーJ1のV・ファーレン長崎は今、崖っぷちに立たされている。17日のJ2最終節の結果、J1のライセンスを取得していない町田が3位以下なら降格が決まる。
 ここまで32試合で勝ち点29を積み上げてきた。過去にJ2で対戦した清水やG大阪、名古屋や磐田だけでなく、公式戦で初めて相まみえた柏やFC東京、仙台からも白星を挙げた。資金や戦力で上回る相手に走り負けず、全員で立ち向かう姿に勇気をもらってきた。
 「奇跡」のような勝ちっぷりで、J1初昇格を決めてから1年。地元にJ1クラブがあるおかげで、夢のような時間を過ごさせてもらった。各国代表級の選手や長崎ゆかりのJリーガーのプレーを間近で見られた。できるなら、この幸せな時間をもっと味わいたい。17日は午後2時からJ2の全試合がキックオフする。もう一度「奇跡」を信じて。運命の1日を静かに見守りたい。

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