糖尿病 前向きに治療を 長崎県の予備軍15万人 かもめ広場でイベント

 「世界糖尿病デー」の14日、県糖尿病協会などはJR長崎駅かもめ広場(長崎市尾上町)で生活習慣病に関するパネルディスカッションと無料説明会を開いた。
 糖尿病や生活習慣病について市民の理解を深めようと実施。パネルディスカッションでは県内の医師や管理栄養士らが登壇し、健康に長生きする方法を伝授。「良質なタンパク質を食事に取り入れることが重要」「坂道をゆっくり上り下りするなど、ゆるやかな運動を続ければ効果がある」などと話した。
 無料説明会のブースでは血圧や血糖値の測定のほか、医療関係者による健康相談もあった。同協会の代表代行を務める長崎大病院の阿比留教生医師は「糖尿病になっても前向きに治療すれば長生きできると伝えたい」と話した。
 5年に1回実施している県健康・栄養調査によると、2016年度の調査では糖尿病が強く疑われる人は推定14万574人(11年度11万30人)、糖尿病予備群は推定14万8384人(同11万4402人)とされ、いずれも前回調査より約3万人増加。県医療政策課によると、増加の要因に高齢化などが考えられるという。
 一方、17年の糖尿病死亡率は10万人当たり10・3人(全国平均11・2人)で47都道府県中37位と比較的低い。▽13年10・8人▽14年10・9人▽15年9・2人▽16年9・3人-で、いずれも全国平均以下で推移している。同課は「医療機関のケアが功を奏している。早期治療で生存率が伸びる病気なので、高血糖状態が続けば受診を検討してほしい」と呼び掛けている。

健康で長生きする方法について意見を交わしたパネルディスカッション=長崎市、JR長崎駅かもめ広場

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