段ボールのバスで世界有数斜張橋渡ろうとした若者話題に

By 太田清

バスに似せた段ボールをかぶった4人。ユーチューブから

 世の中には本当にばかなことをする人がいるものだとつくづく思う。ロシア極東ウラジオストクの自動車専用道路の橋を徒歩で渡ろうとした若者4人が、警備当局により阻止された。4人は黄色いバスに似せた段ボールをかぶり、車に見せかけて渡ろうとしたが警備担当者に見つかり橋から追い出された。4人の様子を撮影した映像はユーチューブに投稿され15万回以上視聴された。タス通信が13日伝え、英紙ガーディアンや米ABCテレビ(いずれも電子版)なども報じた。 

 橋は、ウラジオストク市内の金角湾をまたぐ世界有数規模の斜張橋「ザラトイ・モスト(金角湾横断橋)」で全長2・1キロ。2012年9月に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議へ向けて極東開発の象徴として建設されたもので、市街地と沖合のルースキー島を結ぶ世界最大の斜張橋「ルースキー島連絡橋」とともに同年8月開通。15年からは住民らの反対を押し切って歩行者の通行が禁止され、以降は自動車専用道路となった。 

2012年8月11日、ウラジオストクで開通した「金角湾横断橋」を歩く人たち(共同)

 4人がかぶった段ボールには窓や車輪も描かれ、あたかも本当のバスのように見せかけるべく苦労した跡がうかがえるが、警備担当者はすぐに気づき、4人を止め、来た方向に追い返した。

 警察当局はこの件について具体的にコメントしないとしながら、4人がすぐに追い出されたため、何らかの違反には当たらないだろうとの見方を示した。4人の身元や動機などは不明だという。 (共同通信=太田清)

© 一般社団法人共同通信社