雲仙・普賢岳噴火から28年 あす「防災講座」開講

 1990年11月、長崎県雲仙・普賢岳が198年ぶりに噴火し17日で28年。計44人の犠牲者を出し、終息宣言まで約5年半に及んだ災害で大きな被害を受けた長崎県島原市では、同日を中心に開く防災講座や避難訓練を通じ、災害時に自分自身や大切な人の命を守るために何ができるのか、改めて考える。
 「防災講座 島原から防災を考える」(長崎県教委、雲仙岳災害記念館主催)は17日から全3回。いずれも同市平成町の同記念館で開く。近年多発する豪雨や地震などへの備えや2016年の熊本地震から学んだ教訓、14年の御嶽山噴火(長野・岐阜県)の体験談などを専門家らが話す。
 講座内容などは「防災に備える~自然災害から命を守るために」長崎地方気象台防災管理官・田代知二氏、同火山防災官・井口元治氏(17日午後2時~4時)▽「熊本地震の教訓~震災直後の被災地自治体の対応と連携」熊本県益城町都市建設課・丸山伸二氏(24日午後2時~4時)▽「御嶽山の噴火を体験して~火山から命を守るには」日本山岳ガイド協会認定登山ガイド・小川さゆり氏(12月1日午後3時~5時)
 各回とも定員50人。入場無料。同記念館は「平成最後の年に、被災地島原から災害や防災を考えるいい機会になれば」と来場を呼び掛けている。問い合わせは同記念館(電0957・65・5555)。
 島原市は18日、安中地区で溶岩ドーム崩落に対する備えと地域住民の防災意識の啓発を図るため、関係機関や住民のほか、新たに園児、小中高生らも参加するより実践的な市防災避難訓練を実施する。

九十九島火口(中央)と地獄跡火口(右)から噴煙を上げる普賢岳=1990年11月17日

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