リチウム電池部材の世界市場

20年、約2倍の281億ドルに拡大

©株式会社鉄鋼新聞社

 矢野経済研究所は、リチウムイオン電池(LiB)主要4部材(正極材、負極材、電解液・電解質、セパレーター)の世界市場に関する調査結果をまとめた。それによると、2020年の世界市場は17年比91・3%増の約281億ドルまで拡大すると予測した。内訳は正極材が同比87・9%増の約166億ドル、負極材が同比2・1倍の約39億ドル、電解液が同比85・4%増の約31億ドル、セパレーターが同比90・1%増の約46億ドル。中国の新エネルギー車(NEV)規制や日欧の自動車電動化が追い風になるとみた。

 LiB主要4部材世界市場は、17年が前年比49%増の約147億ドルと推計し、18年は同比24%増の約182億ドルに拡大すると見込んだ。LiB市場は16年に車載用が民生小型機器用を容量ベースで上回り、市場成長のけん引役となっている。

 車載用では、中国市場は17年にEV(電気自動車)補助金枠縮小の影響で成長率の鈍化がみられるが、19年以降はNEV規制が開始されるため、中国の電動車市場の成長は今後も続くと予測。また、環境規制強化が進む欧州でも19~20年にかけて電動車の新車種の市場投入が予定されており、18年以降も引き続き車載用LiB向け需要が拡大する見通し。

 一方、民生小型機器用LiBセル向けでは、これまでけん引役だったスマートフォン向けが17年で成長が頭打ちを迎えたものの、電動工具、電動バイクなどが成長を維持しており、18年以降も緩やかな成長率で推移すると予測している。

 今後は、19年からの中国のNEV規制の開始、19~20年にかけての日本や欧州のOEMによる電動化プロジェクトをけん引役として車載用LiBの材料需要は拡大すると見る。ただ、20年以降は中国の市場経済化が進む中、高容量EVは一定需要が残るものの、低容量・中容量EV、PHEV(プラグインハイブリッド自動車)がメインストリームになる可能性があると分析。

 また、今後の各国政府や地方政策の動向によるが、長期的にみるとHEV(ハイブリッド自動車)主役のストーリーの可能性も考えられ、部材によっては設備稼働状況の悪化や過剰在庫発生などに備え、電動車市場の変化を見据えた複数のシナリオを準備しておくことが重要になると指摘している。