JFEスチール、高潤滑自動車用GI鋼板を開発

プレス成形性を向上、欧米系車メーカー向け

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 JFEスチールは15日、欧米系自動車メーカー向けにプレス成形性を飛躍的に向上させた高潤滑自動車用GI(溶融亜鉛めっき)鋼板「GI JAZ」を開発し、西日本製鉄所で営業生産を開始したと発表した。同社は日系自動車メーカー向けに高潤滑自動車用GA(合金化溶融亜鉛めっき)鋼板「JAZ」を量産しているが、GAめっき鋼板で培った潤滑性向上技術をGI鋼板にも適用した。

 海外の自動車メーカーは自動車用の防錆鋼板としてGIまたはEG(電気亜鉛めっき鋼板)を主に使用する。EG鋼板ではプレス成形性に優れることから、表層をリン酸亜鉛皮膜で被覆することにより高潤滑性能を付与したプレフォスフェイトEG鋼板が広く用いられているが、そこでは電気めっきおよびリン酸亜鉛皮膜での被覆処理が高コストになる課題があった。

 JFEは製造コストの低いGI鋼板をベースに、EGプレフォスと同等の成形性を持つ「GI JAZ」を開発。亜鉛めっきの最表層を改質することで、改質層がプレス金型と亜鉛めっき層の凝着を抑制し摩擦係数を低減することに成功した。

 「GI JAZ」は自動車フェンダー部品のプレス成形試験において、割れ・しわが発生せず良好にプレス成形できるしわ押さえ荷重の範囲(成形可能範囲)が、一般のGI鋼板と比較して約2倍に拡大。また「GI JAZ」の表面改質層は厚さがナノメートルレベルと非常に薄いため、一般のGI鋼板と同等の溶接性、接着性、化成処理性、塗装性を持つ。

 JFEスチールは、「GI JAZ」が自動車メーカーの設計における車両構造やデザインの自由度拡大、プレス加工における不良削減に寄与することなどをPRし、拡販したい考え。