【平成の長崎】国見が3冠達成 高校サッカー史に金字塔 平成13(2001)年

 21世紀の幕開け早々、高校サッカー史に金字塔を打ち立てた。全国高校選手権で国見が8年ぶり4度目の優勝。前年8月の岐阜インターハイ、同10月の富山国体と合わせ、史上3校目となる「高校3冠」を達成した。

全国高校サッカー選手権の決勝で先制のゴールを決め、右手を突き上げて喜ぶMF大久保。右はMF山崎=2001年1月8日、東京・国立競技場

 「個性ある選手が多かった」。当時の総監督、小嶺忠敏氏(73)=現長崎総合科学大付高監督=は振り返る。万能DFの徳永悠平、大きなサイドチェンジが巧みなMF川田和宏…。100メートル11秒0の快足FW松橋章太、高速ドリブルのMF大久保嘉人ら攻撃陣は超高校級だった。厳しい練習に裏付けられた運動量とスピードを武器に、2000年度の高校サッカー界は国見の独壇場となった。
 この大会、大久保は8ゴールを挙げて得点王に輝き、GK徳重健太を軸とした守備陣は6試合で1失点と安定。重圧をはねのけ、頂点に立った。選手権では翌年連覇を果たし、03年は準V、04年は6度目の制覇、05年はベスト4。「国見」の名は全国にとどろいた。
 小嶺氏は1968年、母校島原商の監督に就任。「日本一にする」と公言して周囲に笑われたこともあったが、自らマイクロバスを運転して各地に遠征。厚子夫人(68)や地域住民らの支えを受け、インターハイと国体で計3度優勝すると、84年に赴任した国見では計14度の全国Vに導いた。
 指導歴は半世紀。「サッカーは人生の縮図」と語る。数多くの日本代表選手を育て、今年も長総大付が選手権に出場。「生涯チャレンジだ」。情熱は衰えを知らない。(平成30年11月16日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。


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