柏崎の名物食堂 100年の歴史に幕 「和可山」17日閉店

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約100年の歴史に幕を閉じる「和可山」の3代目店主、若山惣栄さん=13日、柏崎市高柳町岡野町
人気の名代ラーメン

 新潟県柏崎市高柳町岡野町の食堂「和可山(わかやま)」が、17日の営業を最後に約100年の歴史に幕を閉じる。細麺にしょうゆベースのラーメンなどが人気で、地域の食堂として親しまれてきた。3代目店主の若山惣栄さん(80)は「閉店は苦しい決断だった。惜しんでくれる人には感謝の気持ちでいっぱいだ」と語る。

 和可山は、若山さんの祖父が1920年頃、居酒屋として創業した。跡を継いだ若山さんの父は、店頭で魚も販売していたという。

 父親が病気で急逝した1954年、当時15歳だった若山さんが母親と共に店を継いだ。この時に、居酒屋から食堂に形態を変えた。

 店の1番人気はラーメンに焼き肉やかまぼこをトッピングした、ボリューム満点の「名代ラーメン」だ。その他、丼物や定食などメニューは約50種類。通常盛りと大盛り、さらに盛りのよい「よくばり」まで用意。市内外の幅広い世代の胃袋を満たしてきた。

 10年ほど前からは、市社会福祉協議会が取り組む、高柳地域の高齢者らを対象にした弁当の戸別配達事業で調理を行ってきた。若山さんは「地域の店だから、地域の声に応えるのは当たり前のこと」と語る。

 一方で、高柳地域の人口減少に伴い、周囲の飲食店は次々と閉店していった。若山さんは「私もいつまでも足腰が丈夫なわけではない。健康状態や時代の流れを見据えると、ここで閉店を決断しなければならなかった」と語る。

 閉店のお知らせは、高柳地域内を回ってあいさつをしたほかは、店頭に張り紙をしただけだ。それでも市内外から、うわさを聞いたなじみ客らが店を訪れている。「さみしくなる」「昔はお世話になっていた」と、若山さんら一家をねぎらう人々で、昼も夜も連日満席だ。

 若山さんは「15歳の時から、ここまでやり切れた」と晴れやかに語った。