芝居初心者も楽しめる作品に 山崎一初演出舞台29日から

 松田町出身の俳優、山崎一(はじめ)が初めて演出を手掛ける舞台「森から来たカーニバル」が、29日から東京で始まる。山崎は「本当にできるだろうかと不安でいっぱいだったが、いざ稽古を始めてみると楽しい」と初日を待ちわびている。

 「劇壇ガルバ」と名付けた演劇集団を主宰し、気心の知れた俳優やスタッフに声を掛けて公演メンバーを集めた。「積極的に動いてくれる方たちばかりでありがたい。一人で考えているときより、人が動くといろんな発想が浮かんでくる。人の力ってすごいなと改めて感じている」と山崎。

 別役実の脚本による同作は不条理劇。年に1度やって来るカーニバルに対する人々の期待や恐れを描き、現代社会のさまざまな事象が見え隠れする比喩が込められているという。

 「不条理劇というと分かりにくいイメージがあるが、軽やかに飛び越えているところがある。ただ、一筋縄ではいかない悪夢的な童話の要素というか、人間の暴力的な一面といったものも内包している」と別役作品の魅力を語る。

 「朝比奈尚行さんの音楽も、独特の踊りもいい。芝居を初めて見る人も、見慣れている人も、いろんな方や世代で楽しめる作品になっていると思う」と来場を呼び掛けた。

 出演は高田聖子、大石継太、高橋恵子ら。東京・下北沢の駅前劇場で29日から12月9日まで。前売り券は一般6500円。当日券7千円。前売り券はカンフェティ(電話0120・240・540)とイープラスで販売中。

稽古中の山崎一=東京都内

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