「オセロ」ゲームを生み出したのは日本人!海外での認知度は? 【日本発祥の意外なもの】

日本発祥の意外なものをご紹介する「知られざるジャパンクオリティの世界へ。“日本発祥の意外なもの”」特集。今回は、「オセロ」についてです!

ある日曜の午後、イギリス人の友人が自宅に遊びに来ました。だんだんと話す話題も尽きてきたので、オセロをしようよ」と提案してみると・・・「オセロって何?」と聞き返されてしまいました。調べてみると、日本発祥のボードゲームだということが判明!

茨城県水戸市で誕生

表裏が黒と白のコマを盤上に交互に置き、相手のコマを挟んで、自分の色のコマを増やしていくボードゲーム「オセロ」。きっと誰もが一度は遊んだことがあるのではないでしょうか?

そんなオセロは、大空襲で燃え尽きてしまった水戸中学校(現・茨城県立水戸第一高等学校)の青空教室に通っていた、長谷川五郎さんが思いついたゲームです。はじめの頃は黒石と白石を使っていたそうです。戦後直後の1945年9月のことでした。

女性に人気のボードゲームに!

オセロの原形はできたものの、長谷川さんには商品化するという発想はなかった模様。その後、結婚をした長谷川さんは奥さんに囲碁を教えようと試みましたが、1カ月も経たないうちに(奥さんが)挫折、会社の女子社員に将棋を教えてみたところ、こちらも覚えてもらえず失敗に終わります。

中学時代に考案した「オセロ」を思い出し、奥さんや女子社員に牛乳瓶のふたで作った手製のオセロを試してもらったところ、こちらは大成功! 女性ウケ抜群だったそうです。

その後、長谷川さんの知り合いで有名病院に勤める医局長から「社会復帰を目指す患者さんのリハビリには最適なゲーム」との評価を得て、入院患者を中心にその人気が広まっていきました。

名前の由来はシェークスピアの『オセロ』

日本生まれのゲームなのに、西洋風の名前が付いているのはなぜ? と思った方もいることでしょう。ボードゲームのオセロは、イギリスの劇作家シェークスピアの作品『オセロ』から命名したものです。

長谷川さんの手記には、作品をボードゲームのオセロに例え「美しき白人の妻デズデモーナ(白石)を持つ黒人将軍オセロ(黒石)が、緑の平原(緑の盤)で勇敢に戦う波瀾万丈の物語」との記述があります。

かく言う筆者も、イギリス生まれのシェークスピアの『オセロ』が頭の中にあったこと、またイギリスでは黒と白の駒を使って、相手の王様を追い詰めていく「チェス」が普及しているため、オセロはイギリス人も知っているゲームなのかと思っていたのです。

オマケ:海外での認知度は?

余談になりますが、冒頭のイギリス人にオセロを教えてあげたところ「楽しい! チェスより簡単」と好評でした。後日、フランス人の友人にこの話をしたら「フランスではオセロは有名だよ」とのこと。

また、アメリカ人の友人は「オセロ、またはリバーシっていう名前だよね。多くのアメリカ人が見たことはあると思うけれど、ゲームの名前を知っている人は少ないかも」だそうです。

オセロ誕生秘話をコミカルに綴った、長谷川五郎さんの手記もご覧になってみてはいかがでしょう? 発明は意外なところから生まれるものだ、と言うことが分かります。

『【特集】知られざるジャパンクオリティの世界へ。“日本発祥の意外なもの”』では、この他にもいろいろと日本発祥の意外なものをご紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

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