世論喚起で核廃絶へ 「国会議員へ圧力を」

地球市民集会閉幕

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 「第6回核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキ」最終日の18日、分科会「核兵器なき世界の実現をめざす」では、核軍縮専門家ら計7人が核兵器禁止条約について討論した。核保有国や核依存国の署名・批准に向けて、市民社会が政治家への働き掛けを強めるべきとの意見が複数上がった。
 核禁条約は核兵器の使用や保有などを全面的に禁止している。現在19カ国が批准したが、条約発効には50カ国の批准が必要となる。
 分科会では、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)コーディネーターのダニエル・ホグスタ氏が、欧州で市民社会が国会議員へ核禁条約参加を働き掛けている現状を紹介。「政治家が、自国は核兵器賛成派だと思われたくないと考えるようになっている。禁止条約で政治に新たな状況が生まれた」と話した。
 米ミドルベリー国際大学院の土岐雅子氏は「政策変更のためには世論を変えなければいけない」として軍縮教育の重要性を説いた。元国際原子力機関(IAEA)検証安全保障政策課長のタリク・ラウフ氏は、禁止条約が、核保有国に核軍縮を促す核拡散防止条約(NPT)の補完的役割を果たすと強調。日本政府に対し「核軍縮において国際社会の指導者として役割を果たすべき」と訴えた。
 外務省の軍備管理軍縮課長、今西靖治氏は「NPT体制にとってこの(核禁)条約が肯定的な形で役割を果たすということであればいいことだ」と理解を示しつつ、今のところは署名と批准に否定的な見解を示した。その上で「核の法的禁止に反対しているのでなく、核兵器の数が極めて低いレベルまで削減された時点で、核の廃絶を目的とした法的な枠組みを導入することは現実的だ」とも述べた。
 一方、会場からは提案や発言が相次いだ。大阪女学院大教授の黒澤満氏は「日本では国会議員に対する非政府組織(NGO)の働き掛けが弱い。外務省ではなく国会議員に圧力をかけるべき」と提案した。
 長崎の被爆者、城臺(じょうだい)美彌子さんは「日本政府は被爆者の声を聞いていない。核禁条約のリーダーにならなければいけないのに、足を引っ張っている」などと政府の姿勢を批判した。

NPT体制と核兵器禁止条約の役割について話すパネリスト=長崎市平和会館