【写真特集】激震! カルロス・ゴーン会長逮捕の波紋 日産を率いた約20年

【写真特集】

09年3月期連結決算予想で記者会見し、険しい表情の日産自動車のカルロス・ゴーン氏=2009年2月9日午後、東京都中央区 右は日産自動車のカルロス・ゴーン会長の自宅近くに集まった報道陣=2018年11月19日午後、東京都港区

 日産自動車(横浜市)のカルロス・ゴーン会長が、自らの役員報酬を同社の有価証券報告書に過少に記載した疑いがあるとして、東京地検特捜部は19日、金融商品取引法違反の疑いで、ゴーン容疑者を逮捕した。日産は19日に声明を発表し、ゴーン容疑者が会社の資金を私的に流用するなど複数の重大な不正行為があり、解職を取締役会に提案するとしている。

 経営危機に陥った日産にルノーから派遣され、ゴーン容疑者は1999年に最高執行責任者(COO)となり、2000年に社長に就任。その後、三菱自動車との提携を主導し、16年12月に同社の会長に就いた。1999年以降の写真をまとめた。写真の肩書、所属、所在地はそれぞれ撮影当時です。

(まとめ 共同通信=柴田友明)

【ゴーン容疑者逮捕後の速報】(報道時間)

2018年11月21日

01時03分 日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者逮捕を受け、ゴーン容疑者がトップを務めるフランス自動車大手ルノーは20日、声明を発表し「日産、三菱自動車との連合強化を追求していく」と強調した。

11月20日

23時14分 世耕弘成経済産業相は20日、フランスのルメール経済・財務相と電話会談し、日産自動車・ルノー連合への支援を再確認するとの共同声明を発表した。

22時16分 日産自動車会長カルロス・ゴーン容疑者が、家族旅行の代金や飲食代などを日産側に負担させていた疑いがあることが、関係者への取材で分かった。

21時21分 金融商品取引法違反容疑で逮捕された日産会長カルロス・ゴーン容疑者が、株価に連動した報酬を受け取る権利計数十億円分を有価証券報告書に記載していなかった疑いがあることが、関係者への取材で分かった。

19時41分 日産のカルロス・ゴーン容疑者が逮捕された事件で、側近の代表取締役グレゴリー・ケリー容疑者が、外国人執行役員らに有価証券報告書への虚偽記載を指示していたとみられることが分かった。東京地検は、この執行役員と司法取引に合意したという。

17時35分 ロイター通信によると、フランスのルメール経済・財務相は20日、税務当局に自動車大手ルノーのトップを務めるカルロス・ゴーン容疑者について、国内での不正の有無を調査するよう要請した。

17時26分 ロイター通信によると、日産自動車のカルロス・ゴーン容疑者逮捕を受け、ゴーン容疑者がトップを務めるフランス自動車大手ルノーは20日、同日中に取締役会を開くと明らかにした。

17時07分 三菱自動車は20日、逮捕されたゴーン容疑者の代表取締役会長職解任を決める取締役会を来週開催すると明らかにした。

17時01分 ロイター通信によると、日産会長のカルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、フランスのルメール経済・財務相は20日、ゴーン容疑者がトップを務める自動車大手ルノーに対し、暫定的な経営体制を構築するよう求めた。

09時16分 20日午前の東京株式市場で日産自動車の株価が急落し、今年の取引時間中の最安値を更新した。一時は前日終値比65円50銭安の940円を付けた。

07時33分 金融商品取引法違反容疑で逮捕された日産会長カルロス・ゴーン容疑者が、日産側が海外で購入した複数の住宅を無償で利用していたとみられることが分かった。東京地検特捜部は、こうした利益供与が実質的な報酬に当たるとみている。 

07時28分 金融商品取引法違反容疑で日産会長カルロス・ゴーン容疑者が逮捕された事件で、東京地検特捜部が日産関係者との間で、捜査に協力する代わりに刑事処分を軽くする司法取引に合意していたことが分かった。

11月19日

23時05分 日産の西川社長は会見で、司法取引の有無について問われ「全くコメントできない立場にあるので答えを控える」と述べた。

22時52分 日産の西川社長はゴーン容疑者について「ルノーと日産のCEOを兼務した時代が長かったことに少し無理があったと思う」と述べた。

22時47分 日産の西川社長は会見で、会社としてゴーン容疑者を訴えるのかと問われ「当然値する事案だと認識している。これから判断する」と述べ、刑事告発や損害賠償を検討する考えを示した。

22時26分 日産の西川社長は会見で、国の規定に反した新車の無資格検査問題やゴーン容疑者の逮捕などが相次いだことに「問題点の洗い出しを徹底していく」と話した。

22時24分 日産の西川社長は記者会見で、第三者委員会を早急に立ち上げる考えを明らかにした。

22時23分 日産自動車の西川社長は、ゴーン容疑者の不正行為について、日産・ルノー・三菱自動車の3社連合に「影響を与える性格のものではない」と述べた。

22時22分 日産の西川社長は会見で、22日の取締役会でカルロス・ゴーン会長の解任を承認する方針と明らかにした。

22時17分 日産の西川社長はカルロス・ゴーン容疑者の不正について、有価証券報告書への報酬減額の記載と、私的な目的での投資金支出、私的な目的での経費支出の主に3点の行為が確認されたと述べた。 

22時12分 日産自動車の西川広人社長は記者会見で、ゴーン容疑者の不正行為は「断じて容認できる内容ではない」と述べた。

22時06分 フランスのマクロン大統領は19日、日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者逮捕を受け「(フランス自動車大手ルノーと日産の企業連合の)安定を注視する」と述べた。フランスメディアが伝えた。

20時10分 日産自動車会長カルロス・ゴーン容疑者らの逮捕容疑は、2011~15年にかけて、報酬を計約50億円過少記載した有価証券報告書を提出した疑い。

19時53分 東京地検は、金融商品取引法違反容疑で、日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)を逮捕した。

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カルロス・ゴーン、ルノー代表取締役副社長、日産自動車筆頭副社長当時、提供、1999年

(1999年6月11日の共同通信記事)

 「いい仕事はしているが結果が出ていない」―。経営難に苦しむ日産自動車に、資本提携したフランスのルノーから筆頭副社長格の「再建屋」として送り込まれたカルロス・ゴーン次期COO(最高執行責任者)が6月11日、初めて報道各社の取材に応じ、各地の日産の工場を訪ねて大勢の社員と面談を重ねた印象などを披露した。「日産の英国工場は欧州で一番生産性が高い」「若い社員には聡明で有能な人が多い」―などと日産の生産技術や人材の質を高く評価。その上で「結果が出ないことや雇用不安が社員の欲求不満につながっている」と分析した。
 一段の人員削減や工場閉鎖などリストラ策には言及しなかったものの、「行動を怠れば日産の再生はない」と厳しい現状認識を表明。「問題を解決するのが私を含む経営首脳部の責任だ」と、これまで手をこまぬいてきた経営陣への皮肉とも取れる発言も飛び出した。ゴーン氏は1996年当時、経営難に陥っていたフランスのルノーに大手タイヤメーカーのミシュランから移籍。強力な合理化を進めて「コストカッター」の異名を取り、「こわもて経営者」のイメージが強いが、休日は「子どもと一緒にすごして会社のことは忘れる」と、優しい家庭人ぶりものぞかせた。

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2001年3月の村山工場と日産車体の京都工場の全面閉鎖など、再生計画について発表する日産自動車のカルロス・ゴーン最高執行責任者=1999年10月18日午後、東京都中央区のホテル

【日産自動車】横浜市に本社を置く自動車メーカー。国内自動車大手ではトヨタ自動車、ホンダに次ぐ第3位の規模。フランス大手ルノーと資本関係があり、2016年には燃費不正問題で経営が悪化した三菱自動車を傘下に収めた。3社で企業連合を組んでおり、カルロス・ゴーン日産会長が連合を束ねている。日産では17年秋以降、新車の無資格検査問題や燃費測定の不正など不祥事が相次いで発覚してきた。

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北米国際自動車ショーでカメラマンに囲まれる日産のカルロス・ゴーン最高執行責任者=2000年1月11日、デトロイト(共同)

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日産自動車の社長に内定し記者会見するカルロス・ゴーン氏(右)と、会長専任となる塙義一会長兼社長=2000年3月16日午後、東京都中央区銀座の日産自動車本社

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企業改革経営者表彰で小泉首相から感謝状を受け取るカルロス・ゴーン日産自動車社長=2002年10月16日午前、首相官邸

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2004年1月25日、ダボス会議の閉幕会見に臨む日産自動車のカルロス・ゴーン社長(左から4人目、スクリーンも)ら同会議の共同議長陣(共同)

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2008年7月、米テネシー州フランクリンの北米日産新本社前で報道陣の質問に答える日産自動車のカルロス・ゴーン社長(AP=共同)

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記者会見する日産自動車のカルロス・ゴーン社長。奥は三菱自動車の益子修会長=2016年5月12日午後、横浜市

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2017年1月、米ラスベガスの家電見本市「CES」で、基調講演する日産自動車のカルロス・ゴーン社長(ロイター=共同)

【3社連合】日産自動車は経営危機に陥って1999年にフランス自動車大手ルノーと資本提携し、2016年に三菱自動車を傘下に入れ、3社による企業連合を組んでいる。費用を減らして業務を効率化するため、部品調達や研究開発を共同で手掛けている。カルロス・ゴーン容疑者が日産と三菱自の会長、ルノーの会長兼最高経営責任者(CEO)を務め、3社を束ねてきた。

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カルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、記者会見する日産自動車の西川広人社長=2018年11月19日夜、横浜市の本社

 日産の有価証券報告書によると、ゴーン氏の報酬は2016年度までは3年連続で10億円を超えていたが、17年度は7億3500万円で、過去最高だった16年度の10億9800万円から約3割減少していた。

 日産は19日に発表した声明で「関係者に多大な迷惑と心配をかけ、深くおわび申し上げる。早急に企業統治上の問題点を洗い出し、対策を進める」としている。

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