日産・西川社長会見詳報(3)「クーデターではない」

<(2)から続く>

 -解任を取締役会に提案すると決めたのはいつか。

 西川 実際にその方向で私が事案をみて、(専門家の)先生方からアドバイスもいただき、社内調査がまとまった段階。いつかは申し上げにくいが、まとまった段階で判断した。

 -不正はいつごろからか。警察は2011年以降としている。

 西川 いまは申し上げられない。

 -かなり長期にわたっておこなわれていたのか。

 西川 長きにわたってということ。

 -ゴーン容疑者は日本で納税していたのか。そうであれば源泉徴収などで報酬額を把握しているのではないか。

 西川 お答えできない。そこは事実を確認できれば、したい。当然日本で納税していたと思う。これは違っていたら訂正します。

 -株主を裏切る行為であり、株主に代わって利益を取り戻すためにゴーン容疑者を訴える考えはあるか。

 西川 今日は答えられないが、当然それに値する事案だ。どうするかはこれから判断する。趣旨としてはその通り。

 -報道によると、過少申告は、100億を50億程度と申告したという。つまり50億が消えている。日産の帳簿上はどう処理していたのか。

 西川 そこもお話しできない。内容的には確認しているし、検察当局と協力しているが当面、(今の質問には)答えを控えたい。

 -長期政権の弊害という言葉が出ていた。どうして権力が集中し、今回結果的にクーデターのような形で崩壊したが、なぜこのようなことが起きたのか。

 西川 権力の集中と、結果的にクーデターで崩壊という質問でしたが、今回の件は事実としてみた場合、事案として不正が調査の結果見つかった。そこを除去することがポイントになる。

 権力が一人に集中し、そうでない権力がクーデターをした、という理解はしていないし、そうは言っていない。そのように受け止めないでもらいたい。

 一人に権力が集中すると、こういうことが起きる、とは言えない。公正にやっている人もいるし、それが原因とはいえない。

 だが、ガバナンス(企業統治)の面で一つの誘因にはなった。今後はどうやってより公正なガバナンスにするか、どういう形で権力が集中してきたのか、私も考えたが、長い間に徐々に形成されてきたという以上に言いようがない。

 ルノーと日産両方の最高経営責任者(CEO)を兼務していた時代が長く無理があったのではないか。私自身十分に総括できていない。

 -ケリー容疑者の役目についても、どのような役職だったのか。

 ケリーは、長い間の中で、ゴーン(容疑者)の側近としてさまざまな仕事をしてきた。ゴーンCEOの権力を背景に相当影響力を持って社内をコントロールしてきた。それが実感であり実態。言葉が適切か分からないが。

 -秘匿性が高かったというが、この件を把握していたのは誰なのか。何人くらいでどの程度のレベルの人が知っていたのか。

 西川 数人です。

<(4)に続く>

会見する西川社長

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