『イット・カムズ・アット・ナイト』 米インディペンデント映画界の風雲児が頭の中をかき混ぜる!

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 前作の『Krisha』では、ドラッグ中毒の老婆が親戚一同のパーティーを混乱の渦中に突き落とす姿を狂気に満ちた演出で描き、鬼才ジョン・ウォーターズが「2016年で一番面白かった!」と断言した、新進気鋭の監督トレイ・エドワード・シュルツによる待望の長編です。

 実はこの作品、アメリカでは公開前からかなり注目されていた作品で、話題の製作会社「A24」のプロデュース作品なんです。同社は、2012年に作られたにもかかわらず、すぐに大ヒットを飛ばしまくり! 挑戦的な作品ばかりを作ることで映画ファンから熱い視線を浴びているこの会社が、100パーセント監督の意向を受け入れて作った作品。一体どんな作品に仕上がっているのでしょう?

 夜になると襲ってくる、正体不明の「それ」の感染から逃げながら暮らしているポール一家。彼らの家に、ウィルという男性と妻、小さな息子の3人一家が助けを求めて転がり込んでくるところから物語はだんだんと不穏な空気に……。「それ」の侵入を防ぐために、入り口の赤いドアをロックするというルールを守りながら暮らし始める二つの家族に、あることをきっかけに亀裂が入り始めます。

 と、まあホラーにはありそうな展開ですが、何と言ってもハリウッドで「バッドテイスト=悪趣味」のキングと言われたジョン・ウォーターズに大絶賛された監督! みなさんが頭の中で思い描く展開を、大きくずらしてくるはずです! ああ、観終わった人に早く感想を聞いて回りたいなあ。★★★★☆(森田真帆)

監督:トレイ・エドワード・シュルツ

出演:ジョエル・エドガートン、クリストファー・アボットほか

11月23日(金)から全国順次公開

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