訪日客向け夜型観光採択 観光庁のモデル事業に 長崎国際観光コンベンション協会提案 伊王島「ルミナ」を活用

 長崎国際観光コンベンション協会(村木昭一郎会長)が提案したインバウンド(訪日外国人)向け夜型観光企画が、観光庁が初公募したモデル事業に採択された。長崎市伊王島の夜のアトラクション「アイランドルミナ」を活用し、市内の宿泊や飲食、周遊による消費拡大を目指す。

 ルミナは光や音、映像を駆使してファンタジーの世界を疑似体験できる。伊王島でリゾート施設を運営しているカトープレジャーグループのKPGホテル&リゾート(KHR)が4月に国内初登場させて以来、約7万9千人が利用。さらなる集客を図り「長崎観光の魅力の一つとして定着させ地域振興に貢献したい」としてKHRも企画に参画した。

 観光庁は「最先端観光コンテンツインキュベーター事業」として本年度4億5千万円を予算化。全国の自治体・団体の応募の中から計13件を選んだ。このうち長崎の企画は九州で唯一採択され、1200万円を上限に助成を受ける。クルーズ船利用が多い中国人ではなく、より宿泊を見込める韓国人と台湾人をターゲットにした。

 市内17ホテルなどでチケットを販売し、来年1月までに1500人の利用を目指す。ルミナ利用のほか、提携した市内60の飲食店でワンドリンクサービスなどの特典が付く。ナイトクルーズとの組み合わせも予定している。

 KHRはJR長崎駅と伊王島をつなぐシャトルバスを増便し、各ホテル周辺を経由。同市銅座町の春雨交差点付近にPR拠点を設ける。同協会は、韓国や台湾の航空会社などに旅行商品の企画開発を働き掛けている。

 同協会のプロモーションマネジャー、尾道範保さんは「地域の事業者と連携して回遊性を高め、訪日外国人の満足度向上と消費拡大を図りたい」としている。

ファンタジーの世界を疑似体験できるアイランドルミナ=長崎市伊王島町1丁目

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