背番号変更は飛躍の契機に? 今季は巨人岡本、ハム上沢ら躍進、4選手が侍Jに

日本ハム・上沢直之【写真:石川加奈子】

岡本は「38」→「25」に、上沢は「63」から「15」に

 背番号は選手を現す重要な数字といえる。3年連続でセ・リーグを制した広島は、鈴木誠也外野手が「51」から、前田智徳氏の2014年の引退以降、空き番号となっていた「1」を背負うことに。また松山竜平外野手が「44」から「55」、今季途中にトレードでソフトバンクから移籍した曽根が「59」から「00」となることも発表された。

 ヤクルトでは、今季74試合に登板し、最優秀中継ぎ投手となった近藤一樹投手が「70」から「20」に。また、奥村展征内野手が「56」から「00」に、藤井亮太内野手が「51」から「0」となり、広島、ヤクルトともに3選手の背番号が来季変わることになった。

 選手の背番号変更は今回の鈴木や近藤一のように、大きな活躍を見せてチームの顔となったことで、1桁背番号などの小さい番号となるパターンや、期待の選手などに心機一転を促す意味合いのパターンなど、それぞれの理由がある。実際、今季はオフの背番号変更から大きな飛躍を遂げた選手が何人もいる。

 その1人が巨人の岡本和真内野手だ。期待の若手だった岡本は「38」から、村田修一の退団によって空き番号となった「25」を引き継ぎ、今季を迎えた。開幕スタメンを掴むと、開幕2戦目で3年ぶりの本塁打を放ち、そこから目覚ましい活躍を見せた。巨人の89代4番打者も務め、9月8日の阪神戦では30本塁打に到達。打率.309、33本塁打100打点を記録し、史上最年少での「3割30本100打点」を達成した。さらには野球日本代表「侍ジャパン」にも選出され、さきの「2018日米野球」に出場。ジャパンの4番も務めた。

 パ・リーグで今季飛躍を遂げたといえば、日本ハムの上沢直之投手。これまでは3年目にマークした8勝が自己最高だった右腕は背番号が「63」から「15」となった今季、日本ハム先発陣の柱へと成長。開幕から次々に白星を積み重ね、7月27日のオリックス戦で早々と初の2桁勝利に到達した。その後はやや苦しんだものの、11勝6敗、防御率3.16をマーク。こちらも、野球日本代表「侍ジャパン」に選出された。

 中日の佐藤優投手は、昨季途中にトレードで加入した谷元圭介投手の背番号変更に伴って「14」から「25」に変更となった。昨季は13試合登板だった右腕だが、今季は中盤から1軍の戦力となり、キャリアハイとなる42試合に登板。勝利の方程式にも組み込まれるようになり、1勝2敗5セーブ10ホールド、防御率2.08をマークした。さらに、追加招集ながら、侍ジャパンの一員となった。

 昨季、急成長を遂げた西武の外崎修汰内野手もオフに背番号が変更に。「44」から、かつて現役時代の辻発彦監督や和田一浩氏が背負った「5」へと変更に。そうして迎えた今季はさらにブレイク。故障での離脱はあったが、119試合で打率.287、18本塁打67打点をマークしてキャリアハイの成績を残した。本塁打を打った際の「アップルパンチ」も広まり、こちらも「2018日米野球」の侍ジャパンメンバーに選ばれた。

 もちろん背番号が変わった選手の全員が飛躍を遂げるわけではないが、もしかしたら、何か心機一転のキッカケとなったかもしれない。選手の“代名詞”ともなる背番号。今後、広島、ヤクルト以外でも背番号の変わる選手は出てくることだろう。来季、新たな番号を背負い、飛躍を遂げる選手が何人現れるか、今から楽しみだ。(Full-Count編集部)

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