原子力規制委 常陽の再稼働審査再開 炉心設計明示、条件整う

©株式会社茨城新聞社

日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」=大洗町

原子力規制委員会は20日、日本原子力研究開発機構(原子力機構)の高速実験炉「常陽」(大洗町成田町)の新規制基準適合審査を再開することを決めた。常陽の熱出力は14万キロワットだが、地元対策の簡略化のため、再稼働する際は設備変更をせず10万キロワットで運転するとした当初の計画を規制委側が問題視し、昨年から審査保留になっていた。今回、10万キロワットで運転するとした計画を反映した炉心設計が明示されたとして、審査再開の前提条件が整ったと判断した。

昨年4月の審査会合で原子力機構は、14万キロワットの出力で運転すると避難計画を作る自治体の範囲が広がり、再稼働実現まで時間がかかるとして、設備の変更はせず10万キロワットに出力を抑えて運転すると説明。規制委から見直しを指示され、異例の審査保留となった。

運転時の出力を10万キロワット以下とした場合、事故に備える避難計画の対象は半径5キロ圏の住民だが、10万キロワット以上では30キロ圏に広がる。

20日の会合で原子力機構側は、核燃料集合体の最大装荷体数の減少や制御棒構成の変更で炉心設計を見直したことなど、10月26日に提出した補正申請書の概要を説明。規制委側は、実際の熱出力と設備設計の整合性が図られたとして審査再開を決めた。

常陽は、2016年に廃炉が決まり廃止作業中の原子力機構高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)の前段階施設で、政府は高速炉開発の国内拠点に位置付けている。原子力機構は10月の補正申請で、再稼働の目標時期を2022年度末とし、申請当初から1年延期した。 (高岡健作)