JFE条鋼豊平製造所、ビレットの輸出対応強化

120ミリ角に大断面化、6メートルの長尺も製造

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 JFE条鋼豊平製造所(所長・小山内寿取締役常務執行役員)は来週28日から製造するビレットのサイズを全量、従来の110ミリ角から120ミリ角に大断面化し、長さも従来の4・6メートルに加え輸出用の6メートルを製造可能にする。これはビレットの輸出対応強化で冬期間の稼働率向上と連続鋳造工程の効率化を目指すもので、「下期で1万2千トン程度の輸出用ビレットを製造したい」(小山内所長)との意向だ。

 連続鋳造設備に120ミリ角用のモールド(鋳型)を新設するビレットサイズ拡大に伴い、搬送用ローラーを延伸して圧延工場横にビレット搬出装置も設置。輸出用ビレットの在庫スペースを確保し、荷積みもスピーディーで安全に行えるようにした。また、全ビレットを120ミリ角に統一するため圧延工程の全面見直しを行い、異形棒鋼のJIS認証も今月13日付で再取得した。

 今回、ビレットを全量120ミリ角へ切り換えることで輸出対応を強化し、需要量の季節変動が大きい北海道でも輸出向けビレットの製造で冬場の稼働率低下を補う。同時に「ミル能力を極限まで引き出す技術開発に努めて生産性を上げ、大断面化で圧延工程の歩留まりも向上。今後は製鋼工程でも原料や副資材などのコスト上昇を少しでもカバーできるよう工夫したい」(同)としている。

 同所では04年から11年まで韓国向けに異形棒鋼を輸出したほか、06年から11年まで120ミリ角×6メートルのビレットを輸出してきた。また、12年から16年には東日本大震災で被災した旧東北スチール向けに異形棒鋼を製造してきた経緯があり、その過程で120ミリ角の製造設備を廃止していた。一方、同社の鹿島製造所(茨城県)では150ミリ角×11メートル、東部製造所(埼玉県)では120ミリ角×6メートルのビレットを製造しており、これに豊平製造所のビレットを加えて大ロットの輸出商談が可能となる。さらに、北海道の鉄スクラップ発生量は年間約100万トンで6割程度を輸出していることから、「輸出用ビレット製造による鉄スクラップの付加価値化で鉄スクラップ購入量が安定。製造設備の稼働率向上で収益改善に結び付けたい」(同)としている。