カムバック賞の受賞者が発表 アはプライス、ナはベンタース

日本時間11月21日、メジャーリーグ機構は今季のカムバック賞の受賞者を発表し、ア・リーグはデービッド・プライス(レッドソックス)、ナ・リーグはジョニー・ベンタース(ブレーブス)が選出された。各リーグから1名ずつが選出されるこの賞は、事前に各球団から1名ずつ、合計30名の候補者が選出され、MLB公式サイトで各球団の番記者を務める30名の記者によって受賞者が決定される仕組みとなっている。

昨季は故障の影響で16試合(うち11先発)のみの登板にとどまったプライスは、今季30試合に先発して16勝7敗、防御率3.58をマーク。シーズン16勝以上は11年のキャリアで5度目であり、クオリティ・スタート18度はチーム最多だった。また、6イニング以上を無失点に抑えた試合が6度あり、これはサイ・ヤング賞のファイナリストとなったジャスティン・バーランダー(アストロズ)の9度、コリー・クルーバー(インディアンス)の8度に次いでリーグ3位タイの数字。日本時間5月18日から9月27日にかけてはホームでの13先発連続で自責点3以下に抑えたが、これはレッドソックスでは2000~2001年のペドロ・マルティネスが18先発連続を記録して以来であり、左腕に限れば1916年のベーブ・ルースが16先発連続を記録して以来のことだった。ポストシーズンでも先発としての自身初勝利をマークするなど、チームのワールドシリーズ制覇に大きく貢献。レッドソックスでは2011年のジャコビー・エルズベリー、2016年のリック・ポーセロに続く3人目の受賞者となった。

一方のベンタースは、2012年のワイルドカード・ゲームで登板して以降、メジャーの舞台から姿を消していたが、その後の2度のトミー・ジョン手術(通算2度目と3度目)を経て、6年ぶりにメジャー復帰。レイズとブレーブスで合計50試合に登板して5勝2敗3セーブ、防御率3.67をマークしたが、シーズン途中で古巣ブレーブスへ移籍したため、28試合に登板したブレーブスの一員としてナ・リーグでの受賞となった。一時はブレーブスの絶対的セットアッパーとして君臨し、2011年にはオールスター・ゲームにも選出されたベンタースだが、相次ぐ故障により完全に忘れられた存在に。ブレーブスの受賞者は2010年のティム・ハドソンに続く2人目だが、メジャー復帰までの壮絶な道のりを考えると、この上なくカムバック賞に相応しい存在であると言えるだろう。

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