森永卓郎が予想 株価乱高下~その原因は? 今後はどうなる?

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「垣花正 あなたとハッピー!」(11月21日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。日経平均株価が乱高下している。その原因は何なのか、このまま行くとどうなるのかを予想した。

株価乱高下~1カ月半で3,000円以上の下落

このところ日経平均株価が大幅に下がったり、翌日また戻ったりする乱高下が続いています。昨日は238円04銭安で21,583円12銭です。なぜこんなに乱高下しているのか。
日本で言うと今年の年初来高値は、10月2日の24,448円だったので、3,000円以上下げているわけです。
この1カ月半のうちに、ドカーンと下がって来ている。これは日本だけでは無く、当然アメリカもドーンと下がっています。トランプ大統領の自慢というのは、就任してから株価が上がり続けているということです。安倍総理も、「私の就任以来、株価は上がり続けています」と事あるごとに言っています。しかし、その株価がここのところおかしい状況になっている。
その原因は何かと言えば、大部分はトランプ大統領です。

アメリカがイラン核合意から離脱し、経済制裁を復活

彼が世界経済を掻きまわしているのです。ついこの間、2週間くらい前まで石油の値段がどんどん上がって、ガソリンが高くなって大変だと、タクシーの運転手さんなんかは、「これでは会社が赤字になってしまうぞ」と言っていた。なぜ今年の原油高が生まれたかと言うと、トランプ大統領が「イランの核開発を国際的に監視しましょう、核兵器を持たないように監視しましょう」と言うので、2015年に核合意を国際社会で結びました。
しかし、その監視がぬるいとトランプ大統領が言って、アメリカはこの核合意から5月に離脱してしまった。
勝手に離脱した上に、イランに対して経済制裁を復活させ、それだけでは無く世界中にイランへの経済制裁の協力を求め、イランの原油を輸入するなと言い出した。日本はいまの段階では猶予措置の期間内なので、まだ輸入できるのですが大幅に減らしていて、ほぼ0にまで持って行っています。
実はヨーロッパの自動車産業は、イランでけっこう自動車を作っているのです。この作っている車を「制裁の対象にするぞ」と言われていますが、輸出できないとなるとヨーロッパは困ってしまうし、もっと困ってしまうのはイランで、自動車工場で働いている人とか、石油関連で働いている人は仕事がなくなってしまう。
原油価格が上がれば、当然日本経済もこれから冬に向かって辛くなる。

15日、東アジアサミットで言葉を交わすペンス米副大統領(左)と中国の李克強首相=2018年11月15日 シンガポール(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

中国への関税を25%に~止められないトランプの暴走

しかし、もっと大きい影響が米中貿易摩擦です。トランプ大統領は今年7月8月9月と、中国に対する制裁関税を3回やっています。最初はコンピューターやロケットなど、中国製を停止しても問題の無いところをやっていたのですけれど、9月の第3弾というのは家電や家具、日用品を制裁関税の対象にするとなっています。いま100円ショップから中国製品を排除するとどうなるか。
他の国から輸入すればいいじゃないかということなのですが、例えば北欧から輸入している100均がありますが、そこは100均では済まなくて200均になっています。100円という値がつけられるのも、中国からの輸入があるからです。この中国への制裁関税、まだ決定はしていませんが、このときにかけた関税率10パーセントを「年明けにも25%に上げる」とトランプ大統領は言っているのです。これを実行されると、アメリカの物価がグンと上がる。物価が上がると当然買えなくなりますから、消費も落ちることになります。
中間選挙が終わればトランプは大人しくなるという楽観論が巷にあふれたのですけれど、人間の性格は直らない、特に70を過ぎたおっさんの性格は絶対に直らないので、極めて危険な状況です。止める手立てがない。任期のあるあと2年は、トランプ暴走が続くと思った方がいいと思います。

本社があったタイムズスクエアビル(破綻後、バークレイズが入居)(リーマン・ブラザーズ – Wikipediaより)

リーマンショック直前の状況

もう1つ、最近になって不安が生まれているのは、とても高くなっていた原油価格が、この1ヶ月くらい大暴落をしています。この間まで1バレル73ドルくらいだったのが、昨日の終値53ドルとドーンと下がって来ている。これは危険なのです。リーマンショックが2008年9月に起こって、その後世界は大変なことになりましたが、そのときの状況に似ている。リーマンショックの前年、2007年の7月に原油価格が147ドルのピークをつけてそこからずっと下がっていたのです。石油で博打を打っている人がたくさんいる。原油価格が下がると損する人が出てくる。損をすると、その損失分の支払いをしなくてはいけない。その損失の穴埋めをする為には、まだ含み益のある株を売るわけです。すると商品市場が下がって行くので、その後つられて株価が下がって行く。正にその兆候がいま出始めているのです。

選挙集会で演説する米国のトランプ大統領=2018年10月22日、アメリカ・ヒューストン 写真提供:時事通信

トランプ大統領の暴走を止められるのは安倍総理だけ?

世界経済は本当に危ない状況になって来ています。トランプ大統領の暴走を止めないといけない。トランプ大統領もビジネスマンですから、「そろそろまずいぞ」とわかっているとは思います。私が期待しているのは、同盟国として暴走を横から傍観しているのではなく、「大将、少し冷静になりましょうよ」と誰かが言う、その先頭に立つという役割を安倍総理がするということです。

このまま進むとミニ・リーマンショックに

このまま進むと、来年の株価は大きく下がって、ミニ・リーマンショックがやって来ることになる。安倍総理は「リーマンショック級の経済危機が来れば、消費増税は止める」と言い続けています。安倍総理は、来年の7月に消費増税凍結を掲げて、衆参同日選挙というのが私の予想です。まだどこのメディアも報道していない、私だけが言っている話です。ミニ・リーマンショックは来るけれども、よい予想としては、消費税は凍結する、ということです。

垣花正 あなたとハッピー!
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 8:00-11:30

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