生体認証で勤務時間を管理 ララコープ 自動集計、残業削減に成果

 長崎労働局は、長時間労働削減に積極的に取り組む本年度の「ベストプラクティス企業」に生活協同組合ララコープ(長崎県西彼長与町)を選んだ。職員約1300人の出退勤時間を生体認証の一つ「静脈センサー承認システム」を活用し管理。正確な勤務時間をリアルタイムに把握して指導をすることで、残業時間の削減につながっている。

 システムは登録された職員の指をセンサーに重ねると出退勤時間が打刻され、残業時間や手当などが自動的に集計される。店舗など計20カ所に21台の端末を置いている。

 所属長らは勤務時間を把握して日常的な仕事の管理に活用。本部にいる専任の労務管理担当者は、月の残業が45時間を超える職員らについて、所属長に連絡し業務改善を促す。

 2014年の導入以降、職員の意識も徐々に変化した。正規職員215人のうち、本年度上半期(4~9月)の平均残業時間は前年度同期より0・7時間少ない25・9時間となった。

 長崎労働局の金成真一局長は21日、ララコープを訪ね意見交換。石原茂理事長は「システムを導入するだけでなく、正確なデータをどう生かすか実力が試される」。金成局長は「ララコープの取り組みを参考に、少しでも多くの長崎県内企業が長時間労働削減を目指してほしい」と話した。

指をセンサーに重ね出退勤を打刻するシステム=生活協同組合ララコープ
長時間労働解消の取り組みについて報告する石原理事長(右から2人目)=生活協同組合ララコープ

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