仏メディアが報じたゴーン容疑者の「処遇」 日本の司法批判も

By 太田清

2016年3月期連結決算の記者会見に臨む日産自動車のカルロス・ゴーン社長=2016年5月12日、横浜市西区

 フランスのAFP通信(電子版)は21日、金融商品取引法違反の疑いで逮捕された日産自動車の代表取締役会長カルロス・ゴーン容疑者(64)の取り調べや今後の公判の見通しに関する記事を掲載。「これまでの派手なライフスタイルとはかけ離れた処遇」で東京拘置所に勾留されていると伝えた。 

 記事は「日本の司法と向き合うゴーン容疑者」との見出しで、日本の弁護士らを取材。「原則的に独房に一人でいることになる。暖房やベッドなど必要なものは何でもあるが条件は厳格だ」とした上で、「もし裁判所が許可しなければ第三者と会うことはできず、面会できるのは弁護人だけとなる」と指摘。 

 その上で東京地裁が21日、10日間の勾留を認める決定をしたが、その後もさらに10日間の勾留が可能で、勾留中、または勾留満了後に別の容疑で再逮捕されることもあり得ると説明。日本の検察当局は明確な証拠を得るために訴追を“差し控える”ことがあり、しばしば再逮捕は数回に及ぶこともあると強調した。 

 いったん起訴されれば99%が有罪になるとの日本の事情についても触れ、裁判所が検察の要求に迎合しすぎているとの人権団体の批判があることも紹介。また、起訴後の公判長期化の可能性を挙げたほか、フランス自動車大手ルノーの筆頭株主であるフランス政府からの「外交圧力」があり得るとの見方についても示した。 (共同通信=太田清)

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