パートナー制度、横須賀市長「来年4月」 事実婚公認も理解

 性的少数者(LGBTなど)のカップルをパートナーとして公的に認める「パートナーシップ制度」について、神奈川県横須賀市の上地克明市長は22日、「来年4月にはスタートさせたい」との見解を示した。導入されれば、県内初となる。また夫婦別姓を求めて事実婚をしているカップルらを公認することにも「何らかの形で公的機関で証明するような制度設計にしたい」と理解を示した。

 制度導入を検討してきた市長の諮問機関「市人権施策推進会議」の西村淳委員長(県立保健福祉大学教授)が同日、早期に導入するよう求める答申書を提出。これを受け、市長が報道陣に答えた。

 市長は「あらゆる差別をなくしたいというのが私のテーマ。審議の結果を踏まえ、積極的に進めたい」と説明。その上で、市が実施時期として推進会議に提示した(1)来年2月1日(2)年度当初となる4月1日(3)5月1日に施行し、日本記念日協会が「多様な性にYESの日」に認定した同17日に合わせる-の3案について、市長は「整理したりいろんなことを考えたりすると、2月は恐らく無理だろう」とし、「新年度がスタートして以降、できるだけ早く、5月前までにやりたい」と説明した。

 推進会議は導入方法について「スピードを重視して要綱でスタートするのが良い」とし、東京都渋谷区のように「条例」に基づく方式ではなく、自治体の事務の目的や手順を示した「要綱」に基づく方式を採用するよう要望した。

 同様の制度は東京都渋谷区が2015年に全国で先駆けて始め、札幌や大阪、福岡など全国9自治体が導入。神奈川新聞社の8月の調査では、制度導入を県内で検討しているのは、県を含む34自治体のうち横須賀と鎌倉の2市にとどまった。

上地市長(右)に答申書を手渡す、市人権施策推進会議の西村淳委員長=横須賀市役所

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