長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設問題で、市は22日、ダムの必要性を訴える市広報紙の内容を疑問視する市民団体「石木川まもり隊」(松本美智恵代表)などの公開質問状に回答した。「ダムは水源確保策で最も財政負担が小さい。市議会でも承認を得ており、多くの市民が必要としている」と主張し、市民団体が求める公開説明会は開かない考えを示した。
市は広報紙の6月号から佐世保の水事情や石木ダムの必要性を説明するシリーズを毎月掲載。ダムに反対する4団体が公開質問状を提出していた。
市水道局の谷本薫治局長が文書で回答。人口減少などで水需要は低下しダムの必要性はないとする質問に、「人口減少を見越した上で(水源は)不足する」と反論。既存ダムの取水量などを示し、1994年の大渇水が再来すれば「影響は計り知れない」などと従来の考えを繰り返した。
「広報紙の内容は一方通行」として、市民への公開説明会を求める要望に対しては、「広聴の取り組みで、意見や質問を受けている」と拒否した。
松本代表は取材に「疑問は晴れていない。ダムの賛否で世論は二分している。市民の考えを聞くためにも説明会を開いてほしい」と話している。
「石木ダム必要」と回答 佐世保市 公開説明会は開かず
- Published
- 2018/11/23 16:00 (JST)
- Updated
- 2018/12/06 12:06 (JST)
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