<レスリング>イランの男子グレコローマン指揮官にモハマド・バナ氏が復帰…2012年ロンドン大会の再現を目指す

イラン・グレコローマンの英雄、ハミド・スーリヤン(右)を育てたモハメド・バナ氏

 イランのメディアが報じたところによると、イランの男子グレコローマンのヘッドコーチに、モハマド・バナ氏が2年ぶりに復帰することになった。2012年ロンドン・オリンピックで、イランが7階級中3階級を制した時の指揮官。

 ロンドン大会後に別のヘッドコーチが就任したが、成績が振るわなかったため、2015年世界選手権(米国)のあとバナ氏がヘッドコーチに復帰した。それでも2016年リオデジャネイロ・オリンピックは銅メダル2個。同氏は会場で「恥ずかしい」とコメントし、悔し涙にくれたと報じられている。

 バナ氏は元々“ショートリリーフ”だったようで、同オリンピック後はアリ・アシュカニ氏が同スタイルの指揮官に就任し、東京オリンピックを目指す予定だった。しかし、昨年の世界選手権(フランス)は銅メダル3個、今年の世界選手権は銅メダル1個。往年の強さが消え、再びバナ氏に白羽の矢が立ったもよう。

 バナ氏は「正直なところ、ナショナル・チームに復帰したい気持ちはなかった。しかし、チームを助ける時だと思った。ここ数年の失敗を繰り返さないためには、失敗から学ばなければならない。2020年オリンピックへ向けて、多くの難題がある」とコメントした。

 イランの男子グレコローマンは、2014年のハミド・スーリヤン(59kg級)以来、世界一の選手が生まれていない。

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