来季は「水金地火木ドッテンカープ」 異彩放つ? 広島の歴代キャッチフレーズ

広島・緒方孝市監督【写真:荒川祐史】

今季も独創性溢れる「℃℃℃(ドドドォー!!!)」

 広島は23日、リーグ4連覇を狙う2019年度のキャッチフレーズを「水金地火木ドッテンカープ」に決定した、と発表した。同日に行われた「ファン感謝デー」の中で発表されたこのキャッチフレーズ、様々な意味で強烈なインパクトを与えた。

 球団の公式ホームページ内では「小さな子どもから年配の方まで世代を超えてみなさんが口ずさんだことがあり、時が流れてもずっと頭の中にあるフレーズ「水金地火木土天海」をアレンジしました。様々な特徴を持ちながらも同じ方向に公転する太陽系の家族である惑星、カープも『家族』のようなチームワークで戦ってまいります」と、このキャッチフレーズが採用された理由が説明されている。また、そのスローガンを表すデザインもまた、インパクト溢れるものとなっている。

 各球団が毎年、チームの方針を示し、キャッチフレーズやスローガンを掲げる。それぞれが工夫を凝らし、様々なものが世に送り出されるが、近年、セ・リーグ王者となった広島が掲げるキャッチフレーズは、その中で異彩を放つものとなっている。

 そこで、ここでは近年の広島のキャッチフレーズ、スローガンと、その年々の成績を振り返ってみよう。

 2006年から4年間は「ALL-IN」をベースとしたものが4年間続き、2010年は「We’re Gonna Win 俺たちは勝つ」、2011年は「STRIKIN’ BACK!! 逆襲」と、横文字を使ったキャッチフレーズとなっており、2012年から“流れ”が変わり出している。

◯2012年「破天荒-前人未到-」4位
 選手それぞれが自分の殻を破り、チームは今までの常識では考えられなかったことに挑戦するという意味が込められた。

◯2013年「剣砥挑来」3位
 一度敗れた者が勢いを盛り返すことを意味する「捲土重来」をアレンジ。「剣」を「砥」ぎ、「来」るシーズンに「挑」むという意味が込められていた。

◯2014年「赤道直火」3位
「赤道直下」を元にした造語。王道ならぬ「赤道」を真っ直ぐ火のように突き進んでいく。強敵、難敵を相手に実直なプレーで戦い、観る人の心にも火をつけていく、という意味がこもっている。

◯2015年「常昇魂 RED RISING」4位
 昨季まで2年連続でAクラスに入った勢いを失うことなく、さらなる高みを目指し、常勝軍団を目指すという意味が込められた。この年から緒方孝市監督が就任。

◯2016年「真赤激! Burn it up!」1位
「真っ赤」と「過激」を組み合わせた造語。カープ伝統の激しい練習に耐え、チーム一丸となって、赤く熱い気持ちで相手にぶつかっていく。大人しくまとまるのではなく、情熱溢れるプレーを心がけ、応援してくれるファンに「刺激的な野球」を届けていくという決意が込められた。見事にリーグ優勝を果たす。

◯2017年「カ舞吼!-Kabuku-」1位
「カープ」らしく「舞」い、「吼」えながら戦っていくという意味が込められた。歌舞伎の語源となった「常識にとらわれない変わった行動や身なりをする」という意味の「傾く(かぶく)」を元にした。チームは2年連続でセ・リーグを制した。

◯2018年「℃℃℃(ドドドォー!!!)」1位
 チームに引き継がれる「努力」「泥臭さ」、シーズンを駆け抜ける「怒涛」の勢い、1人1人に必要な「度胸」、ファンや地域との一体感を表す「同心」「同郷」、来年も実現させる「胴上げ」と、これらの言葉に共通する「ど」を、「熱さ(温度)」と「カープらしさ(C)」を感じる「℃」で表現した。「℃」を3回続けることで、チームに勢いをもたらしリーグ3連覇へ駆け抜ける決意も込められた。見事に球団初の3連覇に輝いた。

◯2019年「水金地火木ドッテンカープ」?位
 2012年からは漢字を中心に用い、4文字熟語などを元にした造語がキャッチフレーズの中心となった広島。2016年の「真赤激」あたりから、より独創性溢れるものとなり、今季の「℃℃℃(ドドドォー!!!)」は異彩を放つ。アッと驚かされた「水金地火木ドッテンカープ」のキャッチフレーズの下で、広島は来季、リーグ4連覇を掴み取れるだろうか。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2