FIA F2第12戦アブダビ レース1:ラッセルが優勝でチャンピオン獲得。牧野が9位入賞

 11月24日(土)、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットでFIA F2の第12戦のレース1が開催され、ARTのジョージ・ラッセルが優勝しチャンピオンを獲得。牧野任祐(ロシアンタイム)は9位入賞、福住仁嶺(アーデン)はリタイアだった。

 レース1の周回数は31周、気温30度、路面温度28度、レースはドライコンディションのなか行われた。ピレリはソフトタイヤとスーパーソフトタイヤを持ち込んでおり、レース中に両方のタイヤを使用する義務がある。

 ポールポジションはチャンピオン争いに王手をかけているジョージ・ラッセル(ART)。牧野は9番手、福住は18番手スタートとなる。

 ホールショットを奪ったのは2番手スタートのニック・デ・フリース(プレマ)。ラッセルが2番手に後退する。

 後方では大クラッシュが発生した。3番手スタートのニコラス・ラティフィ(ダムス)がエンジンストール、その後ろからアルジュン・マイニ(トライデント)が追突し2台のマシンは大破した。福住もラティフィに接触しリタイアを喫している。

 ポイントランキング2番手につけ、タイトル獲得の可能性をわずかに残しているアレクサンダー・アルボン(ダムス)はエンジンストールを喫し、16番手に後退してしまう。

 ホームストレート上にはマシンの破片が散らばり、セーフティカー(SC)が導入される。

 7周目からレース再開、トップのデ・フリース、2番手ラッセル、3番手アルテム・マルケロフ(ロシアンタイム)が一団となり、後続を突き放していく。

 8周目、ラッセルが上位陣のなかでは真っ先にピットに入り、スーパーソフトからソフトに交換する。

 翌周にはデ・フリースがピットイン。ラッセルの前でコース復帰を果たすも、ターン5で交わされラッセルの先行を許してしまう。

 7番手を走行していたランド・ノリス(カーリン)は11周目、アルボンとルイス・デルトラズ(チャロウズ)を一気にパスし、5番手に浮上してみせる。

 チャンピオン獲得には優勝が絶対条件のアルボンは苦しいレースを強いられる。ノリスに交わされた翌周にはジャック・エイトケン(ART)にもパスされ、9番手に転落した。

 注目のルーキー、ダニエル・ティクトゥム(アーデン)は18周目、アルボンをパスし10番手に浮上。ポイント圏内に躍り出る。しかしティクトゥムは21周目、タイヤの性能劣化に見舞われ、1度抜いたアルボンに抜き返され11番手に後退する。

 17番手グリッドからソフトでスタートし、ピットストップを引っ張っていたルカ・ギオット(カンポス)は、2番手のラッセルに24秒の差をつけてトップを快走していた。しかし、ターン9でショートカット、アドバンテージを得たとされ、5秒のタイムペナルティが科せられてしまう。

 ギオットは25周目にようやくピットイン。5秒ペナルティを消化し、5番手でコースに復帰。ここでラッセルがトップに返り咲く。

 SCランが長期化した影響で60分のタイムレースとなったレース1は29周で終了。ラッセルがポール・トゥ・ウインを飾り7勝目、シリーズチャンピオンを獲得した。

 2位にマルケロフ、3位には最終周にデ・フリースをパスしたギオットがつけた。チャンピオン獲得の可能性があったアルボンは14位、ルーキーのティクトゥムは11位フィニッシュで、惜しくも入賞を逃している。

 牧野はオープニングラップで13番手に後退するも、堅実に走り続け9位入賞を果たした。

 明日のレース2は11月25日(日)、日本時間18時35分からスタートとなる。

■FIA F2第12戦アブダビ レース1 リザルト

Pos No Driver Team Time/Gap

1 8 G.ラッセル ART 1h03’33.863

2 1 A.マルケロフ ロシアンタイム 3.301

3 14 L.ギオット カンポス 8.283

4 4 N.デ・フリース プレマ・レーシング 12.046

5 19 L.ノリス カーリン 19.050

6 20 L.デルトラズ チャロウズ 21.964

7 21 A.フォコ チャロウズ 23.633

8 15 R.メリ カンポス 27.375

9 2 牧野任祐 ロシアンタイム 27.840

10 7 J.エイトケン ART 32.786

11 11 D.ティクトゥム アーデン 42.485

12 9 D.ボッコラッチ MPモータースポーツ 46.303

13 17 A.ロランディ トライデント 47.809

14 5 A.アルボン ダムス 55.571

15 10 N.カリ MPモータースポーツ 1’10.190

16 18 S.セッテ・カマラ カーリン 1’10.766

17 3 S.ゲラエル プレマ・レーシング 1’29.971

NC 6 N.ラティフィ ダムス DNF

NC 12 福住仁嶺 アーデン DNF

NC 16 A.マイニ トライデント DNF

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