平成16(2004)年の主な出来事

 「また長崎か」―。佐世保市の小6女児同級生殺害事件は、昨年の長崎市男児誘拐殺害事件に続き、またも「加害者も被害者も未成年者」。地域ぐるみで子どもたちの心の教育に取り組み始めた矢先の衝撃的な事件に、教育関係者や保護者らは言葉を失った。犯罪の低年齢化の中、大人たちの模索は続く。今年は長崎県内にとって「平成の大合併」元年でもあった。壱岐市、対馬市を先頭に、五島市と新上五島町が誕生。合併論議が加速する一方で、あつれきを修正できず協議会解散や離脱の動きも相次いだ。被爆六十年を前に、平和運動は高まりを見せるが、被爆者の高齢化に伴う被爆体験継承など抱える課題も多い。スポーツ界は県勢の活躍に沸いた。年初の全国高校サッカー選手権大会で国見が2年ぶり6度目の優勝を果たしたのを皮切りに、春高バレーでは佐世保南(男子)と九州文化(女子)がアベック優勝。九州文化はインターハイ、国体と合わせて3冠を達成した。年末の全国高校駅伝では諫早(女子)が3年ぶり2度目の栄冠。県内にサッカーのJリーグチームをつくろうという動きも始まり、市民の期待を集める年だった。

© 株式会社長崎新聞社