価値の継承 決意新た 五島 世界遺産登録記念式典

 世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本の12資産)の構成資産「奈留島の江上集落」がある五島市奈留町で24日、登録記念式典があった。出席者らは喜びを分かち合うとともに、資産の保存や価値の継承に向け決意を新たにした。
 経済や文化などの関係者でつくる市世界遺産登録推進協議会(岩村進会長)と同市が主催。国会議員や地元の観光ガイド、信徒ら約70人が出席した。同市内の構成資産は他に「久賀島の集落」がある。
 野口市長はあいさつで、前身の「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の政府推薦が取り下げられた件など数々の紆余(うよ)曲折を振り返り、「資産を世界の宝物として保存・継承し、さらなる情報発信に努める」と述べた。岩村会長と共に認定書のレプリカを披露した。
 構成資産の建造物保護などについて、県内自治体に助言している東京文化財研究所文化遺産国際協力センターの西和彦・国際情報協力室長による記念講演もあった。

世界文化遺産の認定証のレプリカを披露する岩村会長(右)と野口市長=五島市奈留支所(同市提供)

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