ベイダー台頭のカージナルス 外野手補強に消極的か

カージナルスは今オフのフリーエージェント市場において、ブライス・ハーパーやマイケル・ブラントリーといった大物外野手の獲得に動く可能性が取り沙汰されている。しかし、2018年シーズン、カージナルスの外野には俊足好守の24歳、ハリソン・ベイダーが台頭。外野手よりも内野手の補強に動く可能性が高くなっているようだ。

カージナルスの外野は現在、正左翼手にマーセル・オズーナ、正中堅手にベイダーがおり、右翼はベテランのデクスター・ファウラーと若手のタイラー・オニールが出場機会を分け合う見込みとなっている。正右翼手としてハーパーやブラントリーを獲得するという選択肢もあるが、ここ数年にわたってチームの補強ポイントとなっている三塁手の獲得に動き、打線のグレードアップを図るのがベターな選択肢だと言えるだろう。

地元紙セントルイス・ポスト・ディスパッチのベン・フレデリックソンは、カージナルスがベイダーをチームの新たなスター候補生の1人と位置付けており、多くの出場機会を与える方針であることを伝えている。実際、ベイダーは新たなオルタネイト・ユニフォームを披露する際のモデルに選ばれており、NHLセントルイス・ブルースの試合にもチームを代表して参加した。さらに、最新のカージナルス・マガジンの表紙にも選ばれている。

今季のベイダーは、BABIP.358という幸運に恵まれたこともあり、打率.264、12本塁打、OPS.756と期待以上の打撃成績を残すことができた。この水準を来季以降も維持できるかどうかは未知数だが、ハイレベルな守備と走塁のおかげで、データサイト・FanGraphsが算出しているWARでは3.5を記録。レギュラー選手として文句なしの数字である。

となるとやはり、カージナルスの補強ポイントは強打の内野手ということになる。2015年ア・リーグMVPのジョシュ・ドナルドソンらが補強のメイン・ターゲットとなるのではないだろうか。

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