〔焼岳〕山頂の北西を震源とする地震の多い状態続く 火山活動活発化はみられず(11/25)

今月22日頃から山頂近くで地震活動の活発な状態の続く長野・岐阜県境の焼岳について、気象庁はこの一連の地震に関連して、浅部の火山活動の活発化を示す現象は認められていないとの見方を示しました。

焼岳では、22日09:00頃から山頂の北西1km~2km付近の海面下約3kmのやや深いところを震源とする地震活動が活発化しており、現在も活発な状態が続いています。地震回数は身体に感じないものも含め、22日は61回だったものが23日には2000回以上と急増しました。
また、23日19:00過ぎからは身体に感じるような地震も観測されており、山麓の岐阜県高山市(奥飛騨温泉郷栃尾)では、きょう25日19:00までに38回観測されています。
これまでの気象庁の観測では、山頂付近の浅い場所で発生するような低周波地震や火山性微動は観測されておらず、地震の震源が移動し浅くなるような兆候はみられません。また、地殻変動や噴煙の状況にも特段の変化はありません。

気象庁では、焼岳では地下の浅いところでの火山活動の活発化はみられないとしていますが、噴気の活発な山頂付近では、噴気や火山ガスの噴出に注意するとともに、登山の際にはヘルメットを持参するなどの安全対策をするよう呼びかけています。
なお、焼岳の噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)が継続しています。

焼岳は、長野・岐阜県境の北アルプス(飛騨山脈)にある標高2455mの活火山で、平時でも活発な噴気活動が続いています。過去の噴火はほとんどが水蒸気噴火であり、最近では1962~63年(昭和37~38年)の噴火で長さ約500mの割れ目火口が生成され、多量の噴石や降灰があり、火口付近の山小屋で2人が負傷しています。
また、噴火に伴って泥流の発生が多いことも特徴で、1915年(大正4年)の噴火で発生した泥流では梓川が堰き止められ、大正池が形成されています。

【最大震度別 有感地震回数(長野県中部・岐阜県飛騨地方)】(25日19:00現在・気象庁)
・11月25日:8回(震度2:4回、震度1:4回)
・11月24日:23回(震度2:1回、震度1:22回)
・11月23日:7回(震度1:7回)

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