手紙が伝える73年前の悲劇

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泉山実雄さんにまつわる手紙を受け取った泉山多加広さん

 第2次世界大戦で戦死した宮古市和井内出身の泉山実雄(さねお)さんに関する手紙が25日、同市の遺族の元へ届いた。陸軍歩兵連隊大隊長として泉山さん戦死の報を遺族に送った伊東孝一さん(98)=横浜市在住=に家族が返信したもの。「戦死を信じられず復員を待つ」という内容で、受け取った泉山さんのおい、同市和井内の泉山多加広さん(66)は家族の無念を思い、73年前の悲劇に涙した。

 手紙は、青森県深浦町の報道写真家浜田哲二さん(56)らが届けた。伊東さんに対して、父の故六三郎さんと妻の故千代さんが宛てた2通で、実雄さんの写真も添えられている。

 〈戦死したとは信じられず希望を持って、復員してくるのを待っています(抜粋)〉。手紙を読み上げられると、多加広さんは思わず涙。戦地での様子や激戦について聞いた多加広さんは「ありがとうございます。叔父のことが分かり、身近に感じることができた」と静かに写真を見つめ、仏壇に報告した。

 伊東さんが大隊長を務めた歩兵連隊の第2中隊に所属していた実雄さんは、1945(昭和20)年5月5日、沖縄県西原町で高原奪還の最前線で激しい戦闘の末、戦死。当時29歳か30歳だったとみられる。