【日本発祥の意外なもの】洋食に欠かせない「PANKO」

日本発祥の意外なものをご紹介する「知られざるジャパンクオリティの世界へ。“日本発祥の意外なもの”」特集。今回はあの意外な食材について。

コロッケにトンカツにエビフライ。さて、これらの料理に共通するのは? 「どれも日本の洋食」と答えられた人は大正解! でも、実はもうひとつ答えが存在します。そしてそれも、日本で誕生したものです。何だか分かりますか?

日本生まれの「パン粉」

肉や魚介類のおいしさを衣に閉じ込めながら、サクサクした歯ざわりに仕上げてくれる「パン粉」。冒頭の料理には、全部パン粉が使われています。パンはポルトガルから伝わったのに、パン粉は日本生まれ! そう、パン粉は日本発祥の加工食品です。

パン粉 vs. ブレッドクラム

パンも洋食の原点も西洋からきているので、当然ながら西洋にも、パン粉のようなものは存在します。揚げ物やミートボールなどのつなぎに、あるいはグラタンなどのトッピングに使われるもので、こちらは「ブレッドクラム(breadcrumbs)」と呼ばれています。

(C)sweetsholic

主に食パンを主原料に大きめの粒が揃うパン粉は、さまざまなパンを組み合わせて作る固くて細かい粒子のブレッドクラムとは、食材を揚げたときの食感が異なります。前者はサクサク、後者はカリカリした食感に。

海外でも「PANKO」と呼ばれています

(C)Keith Homan / Shutterstock.com

日本生まれのパン粉は、ブレッドクラムではなく海外でも「PANKO」という日本語名がついています。外国のスーパーの粉物コーナーでは、ブレッドクラムと並んでPANKOを見かけることも。

米アマゾンHPよりスクリーンショット

海外通販サイト「amazon.com」でも、パン粉の取り扱いがあるほど、パン粉はメジャーな日本食材のひとつです。

なぜ、海外で日本のパン粉が人気なの?

海外のフード雑誌やウェブサイトでレシピを見ていると、よく「PANKO」が登場します。ブレッドクラムでもいい気がするけれど? と思っていたのですが、人気の背景には次のような理由があるようです。

全国パン粉工業協同組合連合会のホームページには「日本式のパン粉はその食感の良さ美味しさから大変喜ばれ、今では世界中で使われています」と書かれています。また「日本のパン粉のうまさは“とんかつ”に代表されるように、肉の旨さをパン粉で包み、又デリケートな食感にあると思われます」とも。

西洋からやってきたパンが、洋食により最適な「パン粉」という形で進化を遂げて、それが世界に広まっている・・・感慨深い話です。

『【特集】知られざるジャパンクオリティの世界へ。“日本発祥の意外なもの”』では、この他にもいろいろと日本発祥の意外なものをご紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

[panko.jp]

[maff.go.jp]

[Photos by Shutterstock.com]

© 株式会社オンエア