ハンググライダーで九死に一生 ベルト着け忘れ飛行映像を投稿

By 太田清

ハンググライダーにつかまる男性。ユーチューブから

 スイスの山でハンググライダーによる観光飛行に挑戦した男性の映像が27日までに、ユーチューブに投稿され14万回以上視聴されている。プロの操縦者と思われる別の男性がグライダーと男性をベルトで固定するのを忘れたまま飛行を開始したため、男性は両手でグライダーにぶら下がる形となり、そのまま2分14秒間の「恐怖の飛行」を続けた。英大衆紙「デーリー・メール」(電子版)などが伝えた。 

 男性は「Gursk3」とのハンドルネームで投稿。同紙は米フロリダ州在住のクリス・グルスキーさんと伝えている。同氏は先月、妻とともにスイスに旅行、ハンググライダーは初挑戦だったという。 

 体に着けたハーネスとグライダーをベルトで固定しないまま飛行を開始。映像には、ほどなくぶら下がる形となり左手でグライダーのフレームを、右手で操縦者のハーネスや足をつかんだまま必死で落ちないようにしている男性の姿が写っている。 

 操縦者も左手で男性のハーネスを必死でつかみ、右手だけで操縦。グライダーは木々が生い茂った斜面の上空を約2分間滑空、ようやく平地に来て高度を下げると、男性は自らグライダーから手を離し地面に落ちた。 

 男性は落下のショックで右手首を骨折、手術を受けたほか、あまりに長くぶら下がっていたため左手の上腕部分の筋肉に損傷を負った。 

 悲惨な体験にもかかわらず、男性は「操縦者はベルトを着け忘れるという致命的なミスを犯したけど、できるだけ早く着陸できるようベストを尽くしてくれた」と感謝の言葉を述べた上で、「最初の飛行は楽しめなかったので、再度ハンググライダーに挑戦するつもり」と強調した。映像の冒頭部分には「警告! 私の妻も含めて一部の人は気分を害するかもしれない内容を含んでいます」とユーモアたっぷりのコメントを字幕で入れている。 (共同通信=太田清)

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