THE SENSATIONS×KONCOS - この冬1番見逃せないハイエナジーすぎるツーマン開催決定!

2018年はどんな1年でしたか?

──12月なので、2018年はそれぞれバンドとしてはどんな1年だったかということからお聞きしたいなと。

OSAWA17(THE SENSATIONS):僕らは2008年に結成して、ちょうど10年目ということもあって何か新しいことやりたいなと思って、まずシングル5曲入りを出して、その後アメリカツアーに行きました。フロリダのTHE FESTっていうイベントに出られることになったのでそれに合わせてツアーを回ろうかということになって、MUSTARD PLUGっていうバンドとツアー回ったり。あとは、例えば山形のフェスDO ITに出れたりとか、今年は出たいイベントにいっぱい出れた1年でしたね。あと、今まであんまりワンマンとかツーマンってやったことなかったんですけど、10周年なんでやりたいなと思っていて、このタイミングで12月にKONCOSとツーマンができるっていうのがすごく嬉しいなと。

TA-1(KONCOS):企画するときの最初に言ってたもんね。10周年だしってね。

OSAWAそうそう。あとはアメリカでLPも出せたので、結構充実した1年だったかもしれないです。

──海外自体は初だったんですか?

OSAWAアメリカ本土へは旅行では何回も行ったことあったんですけどライブでは初めてで。いつかやってみたいなとは思ってたんですけどね。

──反応はいかがでしたか?

OSAWA反応は、自分で言うのもなんですけど結構よかったんじゃないかなと(笑)。反応がライブ中にすぐ返ってくる感じが新鮮でした。

TA-1海外とかって結構そうだよね。KONCOSではまだ行ったことないけど、THE SENSATIONSはウケると思う。1歩越えてくる感じのステージ感とか。

OSAWAとりあえず「ハイエナジー! 」ってめっちゃ言われた(笑)。

TA-1ハイエナジー(笑)。いいね(笑)。

OSAWA最初はやっぱり「こいつら誰だ? 」みたいな反応なんですけど、ライブが進行するにつれてみんな自由に踊り出してくれたり。いい経験になったなと思います。KONCOSはどうでしたか?

TA-1僕らは、去年の12月にSHELTERでワンマンやったんですけど、その続きで4月にEPをリリースして、それのレコ発をずっと今年1年かけてやってきた感じかな。それこそ川本くん(SHELTER)と一緒にハコをブッキングしたりとか、そのレコ発の中にCOMEBACK MY DAUGHTERSとのツーマン、EPリリースもあったりとか、リリースに関することを全国のハコでずっとやってきたような1年だったかな。2018年はThe Starry Night EPをもっていろんなところに行くっていうのがメインの活動になりましたね。それから自分たちのレコ発の対バン数をちょっと減らしてツーマンが多かったりとか、最後は今ワンマンライブツアーをやっているんですけど、今までやってきたこととは違うことを1度やってみて、次にどう進めようかなっていうタイミングでもあります。あとはそういう孤独なツアーの一方で、OSAWAくんも言ってたけどDO ITに出れたり、ボロフェスタもデザインをやらせてもらったりとか、今までずっと関わってきた人たちがやってるMassに向いてないフェスというか、きちんとその土地に根付いているフェスに深く関われたのが印象的でしたね。

──話の中にも出ましたが、今年刺激を受けたイベントっていうとやはりボロフェスタやDO ITですか?

OSAWAそうですね。それからガガガSPのイベント「長田大行進曲」に出れたりしたのも嬉しかったですね。あとは、MATSURIとかBREAK A SCHOOLの10周年イベントですかね。面白い内容だったのでずっと続いて欲しいイベントではありますね。

TA-1僕は今年の初めに高松のTOONICEで、岡山vs高松みたいなイベントで岡山のバンドを高松に呼んで、TOONICEってすごく狭いんだけどそこの中に3ステージ組んでやったのがすごく印象に残ってますね。県外のバンドは僕らとbachoと4バンドくらいで。すごく良かった。あとGEZANの全感覚祭とかは、出てないしネット上でしか見てないんだけど、そういうアンダーグラウンドの中で文化が動いている感じがいいなあって思って見てました。

共感出来るし希望がある。

今最前線で何が起きているのか

──今年面白かったり、印象に残っているバンドは?

TA-1今年見た中で本気で心動かされたのは、フジロックでみたAnderson .Paak。ここ数年、海外のことに目が向いていなかったんですけれど、今年Spotifyに入って新譜を聴くのが楽しくて、今最前線で何が起きているのかということを細かくチェックするようになってから、フジロックで見たAnderson .Paakがあまりにも凄すぎて。あれは僕の中で世界が変わった瞬間だったかも。同じ人間でここまで出来るんだったら自分ももうちょっとできるかもなと思いましたね(笑)。すごい人間的で、ハイエナジー(笑)なわけですよ。国内だけじゃなくて、それこそOSAWAくんが海外に行ったのもそうだと思うけどやっぱり新しいものを入れたくなってきたのもあって。見て良かったなと思いますね。今まで見てきたものとは全然違って、刺激になりました。

──OSAWAさんはいかがですか? アメリカも行ったことですし、ツアーで出会った海外のバンドに刺激を受けたりとかは。

OSAWA向こうはバンドによって落差がすごかったりして僕はあまり刺激にはならなかったかも(笑)確かにTHE FESTで見た大きいバンドとかはやっぱりうまいなと思いましたけど、バンドによっては全曲カバー曲のバンドとか、オリジナルだけどあまり好みじゃなかったりとか。刺激受けたっていうと、今年は…また新しい動きというかシーンが出てきていると感じていて、例えばNINJA BOYSとか、CHINESEHOODIE、宮崎のマッハエスカルゴ…とか。先日この3バンドとTHE SENSATIONSの4マンでやったんですけど、これがちょっとおもしろい輪ができはじめているなと。お客さんの感じとかも新しい感じ。その中の横のつながりでタカヤマユーテンズっていうバンドとか、9mileやSendoとか、そこらへんが結構みんな仲良くて、何か起き始めてるぞ、みたいな空気があるような気がするんですよね。他には最近KiliKiliVillaから出したUNDER SOCKSとか、CAR10、either、SUMMERMANとかを筆頭に、それに影響を受けてる奴らが出てきてるのを目の当たりにして、これから面白くなりそうだなと思ってます。

サブスクはアリ? ナシ?

──TA-1さんのお話の中でもちょっと出てきましたが、今年は特にサブスクリプション型の音楽配信サービスが日本でもかなり浸透したように思います。OSAWAさんはレーベル、TA-1さんはDJをされていたりする中でおふたりともレコードやカセットを扱うことが多いと思うのですが、そういった時代やサービスの変化についてはどうお考えですか?

OSAWA僕も一応使ってます。Spotifyは無料版で、Amazon musicとか使ってますね。今回アメリカにツアーに行って、考えが180度変わったんですよね。今までレーベルをやっている身として思っていたのは、サブスクにのせるとモノが売れないとか、この曲順で聞いて欲しいとかがあるわけで。でも、今回僕らアメリカのレーベルからもリリースをして、向こうはCDを聞く環境がそもそもあまりなくて、まず広めるためにはSpotifyを重要視するんですよね。向こうのレーベルの人に「お前らSpotifyのページないの?」ってまず言われて。で、そこで作ってもらって、広めていって。サンプラーを無料で出したり、まず広めるということが向こうだとすごく重要なんだなと。僕の場合バンドとレーベル両方やってるのもあって複雑な気持ちもあるんですけど、バンドの気持ちを考えると広めたいっていう部分では配信とかサブスクをいっぱいやった方がいいのかなあ…とか。KONCOSはやってるんですか?

TA-1僕はもう今年Spotifyしか聴いてないくらい(笑)。で、ここ5~10年とかの中で今年が1番音楽聴いてると思う。Spotifyがとても良くて、僕はお金払って使ってて同時にApple musicも入ったんですけど、1ヶ月使ってみてSpotifyの方が合ってるなと思ってApple musicはやめました。で、Spotifyを聴きまくってます。今の僕の生活でCDで新譜をチェックしたり、一回一回ダウンロードしてiTunesに入れて音楽を聴く時間が限られてきていて。音楽はレコードで聴かなくちゃダメ!とかは全然思ってなくて、音楽を聴いていられることに意味があると思うから、Spotifyは聴きたい時にすぐ、発売日に0秒で聴けるのがすごいハマってくれて。新しい音楽を常に取り入れられるようになって、すごく毎週が楽しみになりました。こういうことをうまく使っていかないと全ては回っていかないなと思って。でも僕はフィジカルはずっと作り続けたいと思っていて、フィジカルを作る人はもっとモノとしての価値は何なのかということを考えて出すべきだなと思ったし、アナログもCDも作りたければ作ったほうがいいけど、多分音楽はもうこっち(配信)になってCDプレイヤーはほとんど使わなくなると思う。変化するものはどんどん利用していった方がいいのかなっていうのは今年はすごく思った。それは自分が使ってみたっていうのも大きくて。去年くらいまでは僕も、よくわかんないしなぁ、みたいな風に思ってたんですけど、自分の好きな音楽がレコードやCDで出なくなって気づいたんですよね。最近のレコード屋の面出しは、再発や企画物が多いし、僕は新譜のシングルで今を知りたいんです。新しい音楽に出会えるライブはすごく大事だと思うからライブもよく見に行くけど、世界の最新の音楽はライブでは見れない。って思ってたらこんなところにこんなに簡単に聴けるツールが! って気づきました。僕が中学生の時ヒップホップに出会って毎日聴いていてワクワクしていた感じが蘇ってくるような感覚でしたね。

大配信時代に「モノ」をつくるということ

──配信中心になっていくことには抗わないという考えをお持ちの反面、レコードやカセットテープでのリリースも多いKONCOSですが、やはり両方やることが大事だと思いますか?

TA-1やっぱり僕らのことを見に来てくれる、例えば100人とか200人のお客さんには手渡しできるものを手渡しして、それ以外の人に広める時に、CDを売るよりもSpotifyとかを使ったほうが広くと広まるから、配信とモノとだと目的とかターゲットが違うかもしれないですね。みんなそういう風になっていくんじゃないかなと思って。ライブの物販でCDを買ったり、きちんとセレクトされたレコ屋でCDを買うことはあるかもしれないけど、

量販店でのCDの立ち位置は微妙になっていく気がする。

OSAWAあとはモノを作るっていうことで、1つ歴史的なモノとして残すためのモノでもあるよね、たぶん。

TA-1そうそう、だから意志があって作るんだったらいいけど、ただただリリースしましたっていうCDはなくなっていくんじゃないかな。テーマがあって作った物はモノとしての価値があると思うけど。レコードもカセットも。だから逆にこれからはインディーズのレーベルとかの方が強いと思う。OSAWAくんとかがやってて、こういうバンドを出しましたっていうOSAWAくんの意志が見えるとお客さんも買いたくなるけど、例えばメジャーのレーベルでただ「最新シングルリリース」とかだと、もうモノは買わないよね。

──OSAWAさんもレーベルでこういう時代になってもやっぱりモノをリリースするということは続けていきたいですか?

OSAWA僕もともとディスクユニオンで働いていて、やめてからは特にそう思う気持ちが強くなっていて、音を出すというより1枚の作品をその時代に遺すみたいな感覚で今ずっとやっているので。さっきTA-1くんも言ってたんですけどモノの方は音だけじゃなくて、もっとブックレットを豪華…というかその1作を買えばバンドのすべてがわかるような、例えばインタビューとかも全部載っててもいいと思うし。

TA-1それ本当にずっと言ってるもんね(笑)。そういうものが残るんだろうなあと思う。

OSAWA例えば2018年の11月にどんなバンドが出て、どういう考えをしてたのかみたいな、歴史的参考文献的なものをずっと出し続けるのが、誰にも頼まれてないですけど自分の役目だと思ってやってるので、これが例えば20年後のパンク好きに掘られて、いいレーベルだな、この時代のこのシーン何があったの!? みたいにアツくなってくれる人がいたらすごく嬉しい。

SPEAK LIKE A CHILD

──これだけ配信が浸透してくるとライブハウスという場所はさらに重要になってくるとも思うんですが、12月のツーマンイベントの話に移らせていただきたいと思います。THE SENSATIONSとKONCOSは今までも何回か一緒にやっていると思いますが、出会いは?

TA-1僕が最初にOSAWAくんのこと意識したのは僕がriddim saunterをやってた時同じディスクユニオンでUNITED SKATESをやってるOSAWAくんがレーベルを始めるって言って周りのバンドを集めたコンピを出した時。すごくいいなと思って印象的だったんですよね。同世代でそういうことやってる人がその時僕の周りには誰もいなかったから、OSAWAくんの動きをずっと追ってて。

OSAWAその時から顔見知りだったけど特に何も話したりはしなかったよね(笑)。僕はriddim saunterすごく好きだったので、赤坂BLITZのワンマン見に行ったりしてました。

TA-1ディスクユニオンでなんとなくの繋がりはあったよね。

OSAWAそう、その後KONCOSを結成して100箇所ライブでしたっけ、そういうことは社内で話題に昇ってくるので、とんでもないことやってんなぁって思ったりとか、ライブハウスじゃなくてカフェでライブやったりとかしてるのをみて、どうなってんだろうなと(笑)。ずっと気になる存在ではありましたね。TA-1くんとは個人的に聴いてる音楽的にもちょっとリンクするところはあったんですけど、たぶん当時自分の中でも「俺はパンクシーンだ! 」みたいなこだわりがありながら活動してた部分もあって、距離は近かったと思うんですけどなかなか交わらずにずっときた感じはありますね。

TA-1100箇所ツアー回ってる時に出会ったかっこいいバンドが、調べたらなんかみんなI HATE SMOKE RECORDSからリリースしてて、そういう人たちからもOSAWAくんの話は聞きまくってて、僕の興味のあることはOSAWAくんのところに行けば教えてもらえるんじゃないかと思って、飲みに行こうって言ってそれからOSAWAくんの周りの人も紹介してもらったりとかして、そこからだよね。全て。それから2015年だったかな、SHELTERの昼の部のAFTER SCHOOLで一緒にやって。あれは人生の分かれ道だったと思う。あの時夜まで公園で飲んだよね。楽しかったなぁ。

OSAWAメンツすごいよかったよね。TENDOUJI、THE FULL TEENS、SaToA、やり始めのfallsとか。

TA-1あの2015年頃にKONCOSもバンドとしてちゃんと形になってきた頃で。

OSAWAもう3年経ったってこと? はやい…。

──ツーマンは今回が初ですよね。開催の経緯はどんな風だったんですか?

OSAWA今年僕らが10周年っていうのもあって、たぶんTA-1くんにワンマンかツーマンかやりたいんだよねっていうのを話してて。

TA-1ちょうど、SHELTERのPOOL SIDEでCOMEBACK MY DAUGHTERSとツーマンやる時に、チケットにカセットテープをつけて売るっていうのをその時初めてやって、自分たちでカセットテープをダビングするってなった時にOSAWAくんち行って昼間から2人でずーっとその作業をやりながら話したりしてて。

OSAWAそれが結構いい時間だったんだよね。テープを巻いている間の時間に2人でお気に入りの音楽とか紹介しあったり(笑)。

TA-1男2人で酒も飲まずに肩並べて。謎だよね(笑)。で、その作業をOSAWAくんに手伝ってもらいながら「今年なんか一緒に面白いことやろうよ」みたいな話になって。っていう感じだったよね。

OSAWAそうそう。じゃあツーマンやりましょうか、という運び。

──タイトルの「SPEAK LIKE A CHILD」はどういった意味がこもっているのでしょうか。

TA-1これは…やっぱりお酒飲むと急に思いつくことがあって…(笑)。なんでそうなったんだっけね(笑)。SPEAK LIKE A CHILD っていうのはHerbie Hancockの曲ですごくいい曲なんですけど、そのHerbie HancockのSPEAK LIKE A CHILDがなんで出てきたのか…たぶんお酒から落ちてきたんでしょうね(笑)。確か、すごいそれがいいなと思って調べたら「子どもにもわかるように話してみろ」っていう意味で、優しい曲かと思ったら割と政治的な歌で「上に立つやつはわかんないことばっかり言ってないで子どもにも話がわかるように今何やってるか説明しろ」みたいな裏の意味がこもってて、広い意味でいいなと思って。子どもにもわかるような音楽とかも素晴らしいし、裏の意味もわかるし。いい言葉だよねってOSAWAくんとも話してて。それで決めたんだったね。

OSAWAいいタイトルですよね。語呂的にも。

エナジーブラザーズツアー、あるかも…!?

──最後になりますが、来年に向けて2バンドの向かっていく方向や活動のビジョンを教えてください。

TA-1今回の「SPEAK LIKE A CHILD」やろうってなった時に、ただツーマンじゃつまんないから一緒に曲作ろうって話になって、2人で勝手にそんな話をしてスタジオ入ったりもしてて。一緒に曲を作るっていうのを試したいなと。今やってるんだけどすごく面白い。0からバンドと一緒に曲作ることってほとんどないし。

OSAWAバンドによって曲の作り方も違うしね(笑)。俺らはパッションでやってるけど、KONCOSは結構理論派だよね。気も使うけど、それが面白い。

TA-1うん、すごくいい曲になりそうで、新しい感じがあるなぁって。この世代で一緒に曲作ってツーマンとかってあんまりなくて、ただ仲良しでやるっていうんじゃなくて、音楽的にも対極にいるような感じもあるから面白いと思って。POOL SIDEでCOMEBACK MY DAUGHTERSとカバーしあったのも面白かったけど、それともまた違う楽しさ。完成したら、このツーマンきっかけに来年またツーマンで各地に行ったりとか、やりたいですね。来年の1つ、目標かな。

OSAWAやりたいですね。年末が来年の目標につながる感じで。あと僕らバンドの話になっちゃうけど、たぶんまた海外ツアーいくと思いますね。

──あれ、一緒に行ったらいいんじゃ…?(笑)

TA-1あ、行っちゃおうか(笑)。

OSAWA行きます?(笑) ハイエナジーブラザーズで(笑)。

© 有限会社ルーフトップ