アルコニックス、摩擦調整材の「東北化工」買収 ブレーキ関連市場に参入

 非鉄総合商社のアルコニックス(社長・竹井正人氏)は27日、摩擦調整材などの製造販売を手掛ける東北化工(本社・栃木県那須烏山市)を買収すると発表した。同社の株式を保有するエフ・シー・シーから総額26億3千万円で事業を譲り受ける。アルコニックスは、今回の事業譲受によってブレーキ関連市場に参入するとともに、海外販売網の活用でシナジー効果を追求する。

 12月中旬に完全子会社の中間持株会社「アルコニックス・東北化工(仮称)」(社長・手代木洋氏)を設立し、下旬までに東北化工の全株式を取得する。東北化工は摩擦調整材、電波吸収体、機能性インクなどの製造を手掛けている。海外ではベトナムとインドネシアに拠点を保有。18年3月期の業績は売上高17億4300万円、営業利益1億2800万円、経常利益1億3400万円。

 東北化工の主要製品である摩擦調整材やカシューパーティクルは、食用のカシューナッツの殻から抽出する殻液を主原料とした樹脂を粉末状にしたもので、摩擦安定性や耐摩耗性の向上に役立つとされている。同製品は二輪車、四輪車のブレーキ・クラッチなどの摩擦材に不可欠で、同社の高性能摩擦調整材は国内のほぼすべてのブレーキ摩擦材メーカーが採用している。

 アルコニックスは今回の買収により、ブレーキ関連市場への新規参入を果たす。さらに東北化工がベトナムで製造している主力原料とミドルパフォーマンス製品を、アルコニックスの販売網を使って東南アジア・南アジアで販売することでシナジーを発揮したい考え。

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