困窮家庭の小中入学用品費 海老名市、5~7割引き上げへ

 神奈川県海老名市は28日、非生活保護世帯で経済的に困窮する家庭に就学費用の一部を援助しているスクールライフサポート事業で、小中学校の新入学用品費を現在支給額から5~7割引き上げる方針を明らかにした。同市は不交付団体のため国の補助を受けない「単独事業」として同事業に取り組んできたが、10月から始まった国の新たな生活保護基準で関連項目の上限が引き上げられたことなどを踏まえ、増額に踏み切ることにした。

 29日に開会する同市議会第4回定例会で、増額分の経費計約461万3千円を盛り込んだ2018年度一般会計補正予算案を提出する。新たな支給額は新小学1年生が1万8千円増の5万480円、新中学1年生が2万5680円増の6万3600円の計画。同予算案が可決されれば、2019年度に市内公立小中学校に入学する市内在住の児童・生徒分から適用される。

 支給時期は入学準備で費用がかさむ保護者の心配に応える狙いから、本年度入学分から2月に前倒ししており、市は19年度分については1月下旬での支給を目指す考え。

 市教育委員会によると、支給見込みは、19年度入学予定児童・生徒数と過去の認定率から推計し、新小学校1年生が105人、新中学1年生が106人としている。今後は、予算案の可決を経て、対象世帯の保護者に周知を図る計画だ。

 28日の定例会見で、同市の伊藤文康教育長は「子どもたちを取り巻くさまざまな家庭環境がある中で、確実にどんな子どもの教育環境も充実させていきたい。10月から国の生活保護基準が上がったので、(就学援助の方も)上げていくという考え方」と趣旨を説明した。

海老名市役所

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