2015年度に横浜市立小学校で当時3年生だった女子児童が同級生4人からいじめを受けた問題で、市教育委員会の設けた第三者委員会が4人から直接、聞き取りをせず、女児側が市に再調査を求めていることが28日、分かった。市教委は「4人の保護者が応じなかったため」と説明。林文子市長は同日の定例会見で、市長部局に新たに委員会を設置し、再調査の必要性を諮問したことを明らかにした。
女児側は9月12日、市と市教委に再調査を求めた。
市教委などによると、女児側が最も問題視しているのは第三者委が4人に直接、聞き取りをしていない点。4人の保護者が応じない理由について、市教委は「『既に学校から何度も聞き取りをされ、謝罪もした。子どもの記憶も薄れている』などの意見があった」と説明する。
また市教委が9月18日に公表した報告書で、女児の上履きの中にゴキブリの死骸が入っていた点について、第三者委が「原因を特定できず、法律上の『いじめ』の認定には至らなかった」と結論付けたことなどにも女児側が納得していないという。
女児側の要望を受け、市は大学教授、弁護士、医師ら7人で構成する「いじめ問題調査委員会」を市長部局に初めて設置。今月26日に既に初会合を開き、関係者からヒアリングすることを確認したという。
市長は会見で、「調査委の答申を踏まえ、再調査の実施について判断したい」とし、できるだけ早期に結論を出す考えを示した。
市教委は「いじめ防止対策推進法」に基づく重大事態調査の結果、市立小2校でいじめがあったと認定し、学校の対応が不十分だったとする報告書2件を公表。うち1件が女児の事案だった。
報告書などによると、女児は同級生の男女4人から暴言を吐かれたり、髪を切るよう強要されたりするいじめを受けた。年間欠席日数は約100日に達し、転校した。