ノーベル平和賞演説のサーローさん「広島からもっと強い発信を」 反核シンポで講演

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 昨年のノーベル平和賞授賞式で非政府組織(NGO)の「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN=アイキャン)を代表して演説したカナダの被爆者サーロー節子さん(86)が28日、原爆資料館東館(広島市中区)であった反核シンポジウムで講演した。核兵器廃絶に向けて一人一人が行動するよう、来場者約330人に語り掛けた。

 市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」(HANWA)の主催。講演でサーローさんは、昨年7月に国連で採択された核兵器禁止条約について「廃絶を求めて何十年と語り、闘い続けた私たちの願いが報われた」と評価。条約発効に必要な50カ国の批准に向け、「今は条約を拒否している日本政府が50カ国のうちの1カ国になるよう、皆さんが自ら考え、行動してほしい」と訴えた。

 「被爆地広島と長崎が条約発効への動きを率先することは人道的な責任」とも強調。広島市による日本政府への働き掛けが乏しいと指摘し、「広島からもっと強い発信が欲しい。市長や市議会を動かして」と繰り返し求めた。

 続くパネル討議では、HANWAの森滝春子共同代表(79)や中国新聞社の金崎由美記者(48)、高校生平和大使でノートルダム清心高(西区)2年の下久保理子さん(16)と、核兵器を巡る国際情勢や廃絶に向けた発信の在り方などについて意見を交わした。

 「核兵器廃絶のため、原爆を経験していない私たちの世代が何を伝えていくべきか」との下久保さんの問い掛けに、サーローさんは「被爆者が長年かけてたどり着いた『他の誰にも同じ経験をさせてはいけない』との思いを、広く長く伝えてほしい」と語った。

 南区出身のサーローさんは、ノーベル平和賞授賞式で演説後、初の里帰り。30日には三次高(三次市)の生徒と交流する。

核兵器廃絶への道筋などについて語り合うサーローさん(左から2人目)たちパネリスト(広島市中区)