殉教の歴史学び 記念植樹 韓国のキリスト教徒 平戸訪問

 韓国のキリスト教徒約370人が28日、巡礼ツアーで平戸市を訪れ、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産、春日集落(春日町)や市内のキリシタン関連史跡などを巡った。
 ツアーは韓国ソウルのテレビ局CBSが、殉教への関心が高いキリスト教徒の若者らに、日本の歴史の奥深さを知ってもらおうと企画した。
 一行のうち、バスで最初に春日集落を訪れたCBS財団のアン・ヨンジン理事長(66)ら16人がオリーブの木を記念植樹。ヨンジン氏と集落の案内所「かたりな」の指定管理者、平戸観光協会の藤澤美好会長(68)らが根元に土をかぶせた。ヨンジン氏は「平戸の皆さんの心に神が降りることを願う」とあいさつした。
 一行は松浦史料博物館を見学した後、キリスト教禁令下の1622年に捕まり、火あぶりになって殉教したイタリア人宣教師コンスタンツォの碑がある田平町の焼罪(やいざ)史跡公園を訪問。祈りをささげ、鏡川町の平戸ザビエル記念教会も見学した。
 29日は構成資産「外海の出津集落」がある長崎市外海地区などを巡る予定。

オリーブの木を記念植樹する藤澤会長(左)とCBS財団のヨンジン理事長=平戸市春日町

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