【平成の長崎】国内最古の「ポッペン」出土 長崎奉行所跡 平成17(2005)年

 長崎県教委は3月28日、長崎市立山1丁目の長崎奉行所跡周辺から、18世紀前半に長崎で製造された「ポッペン」と呼ばれる玩具など国内最古の吹きガラス製品が出土したと発表した。「製造年代を絞り込むことができ、中国から長崎に伝わったとされる吹きガラス生産の歴史を裏付ける貴重な資料」としている。

 今回出土した「ポッペン」は、一部が割れて失われた状態で旧知事公舎近くの排水溝跡から見つかった。残存部の長さは8・8センチ。息を吹き込むと「ポコン、ポコン」と鳴る玩具で、喜多川歌麿の浮世絵版画にも描かれている。

 文献や成分分析から、長崎奉行所の建て替えが始まった1715年以前に製造された可能性が高く、国内製吹きガラスとしては最古級。当時、ガラスは「びいどろ」と呼ばれ、現存する「長崎びいどろ」の中でも最も古い。

 長崎県教委によると、長崎で吹きガラス製造が始まったのは17世紀後半。これまで、1714年の箱書きがある四段重の器(神戸市のびいどろ史料庫蔵)が、年代が分かる最古の国内製吹きガラス製品とされていた。

 このほか、「ポッペン」と同時期に製造されたとみられる「長崎びいどろ」の杯やふた付きの器の破片数点も出土。県教委が2,002年7月から2,004年12月にかけて行った長崎歴史文化博物館建設に伴う発掘調査で相次いで見つかった。

 今回の出土品は、29日から県立長崎図書館で展示する。
(平成17年3月15日付長崎新聞より)
   ◇   ◇   ◇
【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

長崎奉行所跡地周辺から出土した日本最古の吹きガラス製玩具「ポッペン」

© 株式会社長崎新聞社