ダイワの次世代ドラグATDとは?その魅力とUTDの違いに迫る ショアから104キロのキハダマグロを釣り上げた実績を持つATD(オートマチックドラグシステム)。ATDは、このような大型魚だけではなく、バス、トラウト、シーバスなど、様々な魚種においてアングラーをサポートする機能が備わっています。今回は、これまで使われてきたUTDとの違いやATDの特徴についてご紹介します。

改めて認識しておきたいドラグシステムの重要性

一般的にドラグは、魚とのファイトの中「ラインブレイクを最小限に抑えるための機能」と考えている方が多いと思います。

もちろんドラグは、ラインへの負荷を軽減するという意味で、非常に大切なシステムですが、他にも『フッキング』や『アクション』などにおいて重要な役割を担っています。

フッキングにおけるドラグの重要性

フッキング時のドラグの役割としては、思いっきり合わせを入れたときの力を分散する役割があります。

もちろん、力が分散されすぎてしまうと、魚の口にしっかりと針が刺さらないため、バレてしまうリスクが高まります。逆にドラグが強すぎてしまうと口切れ、身切れなどが発生し、こちらもバラシに繋がります。

そのため、ドラグを設定する際は、ロッドの調子やラインの太さなどに合わせた、絶妙なセッティングが必要なのです。

アクションにおけるドラグの重要性

次にアクションにおけるドラグの役割を説明します。

例えば、エギングなどでは、ドラグ調整によって、アクションを自在に変えることができます。例えば、ドラグを強めることで、よりタイトでキビキビしたアクションになったり、ドラグを緩めると、緩やかでナチュラルなアクションが可能です。

このようにアクションにおいても、エギやルアーに対して、ドラグ設定が与える影響は非常に大きいのです。

魚とのやり取りにおけるドラグの重要性

最後は、ファイト中のドラグの役割についてです。

それぞれの魚の引きと、ライン強度を考慮したドラグ設定が、必要なのは言うまでもありません。上記を満たした上で、強めのドラグ設定、弱めのドラグ設定を上手く使い分ける必要があります。

例えば、根ズレの激しいポイントでは、ラインをできるだけ出さない強めのドラグに設定する必要があります。対して、シーバスなどの遊泳力がありエラ洗いなどを盛んに行う魚の場合、ラインテンションをできる限り緩めないよう、弱めのドラグ設定が必要です。

ドラグ設定で釣果は変わる

ここまでご紹介したように、ドラグ設定はフッキング、アクション、魚とのやり取りにおいて、非常に重要な役割を担うと共に、最適なセッティングが必要となります。

また、リールによっては、瞬発的な力が加わるとき、設定したドラグ力以上の力を加えないと、ラインが出ないと言うこともあります。

そのため、ドラグのベストセッティングを見つけ出すためには、そのリール、釣り方、対象魚の特性の理解と実釣経験値が、どうしても必要になってしまうのです。

ダイワの技術革新!UTDからATDへ進化

ドラグのベストセッティングには、それぞれの役割の理解と、最終的にはアングラーの経験が必要でした。しかし、ダイワの新たなドラグの誕生によって、これらのドラグ調整を最小限に済ませることが可能になりました。

ここでは、ダイワのドラグ進化の過程も合わせて知っていただくためにも、旧ドラグシステム『UTD』から、現代のリールに使われている新ドラグシステム『ATD』について詳しくご紹介していきます。

精度を高めたUTD(アルティメットトーナメントドラグ)

2010年に開発された、UTD(アルティメットトーナメントドラグ)。UTDとは、2010年からダイワが設けた、高い基準をクリアした、ドラグシステムのことを指します。

主な特徴としては、2010年まで問題にされていた、ドラグの効き始めに起こる「ラインの放出詰まり」を大幅にを解消し、安定してラインが放出されるようになった点にあります。

新技術!ATD(オートマチックドラグ)は”ここ”が違う!!

2015年。「アングラーに最適なドラグは何か」をコンセプトにUTDを見直し、開発された新たなドラグシステムATD(オートマチックドラグ)。このドラグシステムが、2018年現在小型スピニングリールから電動リールまで、さまざまな機種に採用されている「現代のドラグシステム」です。

▼ オートマチックギアのようなドラグ

主な特徴として、強い力でラインが引っ張られたときは、一定の力でラインが放出。対して、ゆったりとした力が加わった時は、じわじわドラグが効いていくといった”粘り”を持たせたこと。これによって、フッキングした時のドラグ設定を、ランディングまでの過程の中で、魚の引きに合わせて調整するといった、都度アングラー自身が行なっていた、ドラグ調整の手間を激減させました。

▼ 圧倒的な耐久力

従来のドラグでは長いファイト時に、低下してしまいがちだったドラグ力を、しっかりと維持できるようになりました。そのため、従来と比較して、大型魚とのファイトを優位に進められるメリットもあります。実際に、このドラグを用いて、ショアから104キロのキハダマグロを釣り上げた実績を持つほどです。

ATDが使われたダイワのリール5選

ATDが使用されたスピニングリールは、バス、ソルトルアーフィッシングなどはもちろん、磯でのフカセ釣りやエリアトラウトまで非常に多岐に渡ります。ここではそんなダイワのスピニングリールの中から人気の機種を5種類ピックアップして紹介します。購入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

月下美人 MX LT

ライトソルトゲームを代表する月下美人シリーズのスピニングリール。細いラインを使うことが当たり前のメバリング、アジングにおいてATDの絶妙なドラグ力は大きなサポートとなります。2018年にはLTモデルとしてモデルチェンジも行い自重の軽さと剛性を両立したモデルに生まれ変わりました。

フリームス LT

ソルトルアーを中心に人気を集めるダイワの定番スピニングリール。1万円台前半の価格帯ながら初心者から上級者まで満足させる本格仕様。特に剛性の高さは大型の魚種を狙うソルトゲームにぴったりです。ATDのドラグ力を生かすためには間違いなくおすすめのハイコストパフォーマンスモデルです。17セオリー

スタンダードモデルながらフラッグシップモデルに次ぐ自重が魅力の軽量リール。バス、エリアトラウト、ライトゲーム、エギングなどの自重の軽さがアドバンテージになる釣りにはぴったりのアイテムです。ATDによる滑らかなラインの放出によって不意の大物にもしっかりと対応できます。

プレイソ

磯釣りなどで使用されるレベーブレーキ搭載のスピニングリール。一般的なスピニングリールにおける上位モデルと同等のスペックを誇る本格派。レバーブレーキとATDを組み合わせることでさまざまな魚種との真っ向勝負を楽しむことができます。

プロカーゴ SS 遠投

ライトタックルでかご釣りを楽しめる専用スピニングリール。糸落ち防止機構などを搭載しており、よりかご遠投を快適に楽しめるモデルになっています。ATDをドラグに採用することで、真鯛や青物などの大型の魚種とのファイトも安心です。

ATDは初心者から上級者まで愛されるダイワの最新ドラグシステム!

ATDを使えば、フッキングからランディングまでのドラグ設定を、最小限に抑えることができるでしょう。ドラグワークにこだわりをもった上級者の方はもちろん、ドラグ設定に自信がない初心者の方も、ぜひダイワのATD搭載リールをお試しください!

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