MotoGPヘレステスト、初日はドゥカティがワン・ツー。中上がホンダ最速の3番手タイムを記録

 11月28日、スペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで、今年最後となるMotoGPクラスのオフィシャルテストがスタートした。

 初日はやや肌寒いものの天候にも恵まれ、ドライコンディションでテストは行われた。9時30分から17時30分までの8時間の予定で行われたが、コースインが始まったのは11時半ごろから。その後、お昼ごろからほとんどのライダーが走行を開始した。

 初日のトップタイムを記録したのはダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)。ペトルッチは残り1時間を切った16時38分ごろに1分37秒968を記録、トータル53周を回り、44周目にファステストラップを記録した。

 2番手に1分38秒185でアンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)が続き、ドゥカティのワークスチームが初日ワン・ツーで終えたが、ドヴィツィオーゾはこのタイムを記録した翌周の54周目、セクター1でファステストを更新してタイム短縮をねらったが、セクター2の5コーナーで転倒。これで初日の走行を切り上げた。ドヴィツィオーゾに大きなダメージはなかった模様。

ホンダトップ、総合3番手タイムをマークした中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)

 3番手に1分38秒348で中上貴晶(ホンダ)が続いた。中上は26周目の14時36分ごろに1分38秒667を記録して3番手に浮上。その後、他のライダーがタイムを更新し、6番手まで後退したが、残り1時間を切った57周目の16時41分ごろに1分38秒348を記録して2番手に浮上。その後、ドヴィツィオーゾに逆転されたものの、トータル66周を回り、トップのペトルッチからコンマ380差、ホンダ勢のトップとなる3番手で初日を終えた。中上は今シーズン、チームメイトのカル・クラッチロー(ホンダ)が駆っていたものと同仕様のマシンを手にし、ユーズドタイヤでもコンスタントなラップを重ねていた。なお、オーストラリアGPで負傷したクラッチローは今回のテストも欠場している。

 4番手に1分38秒376でマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)。ビニャーレスは16時21分ごろに1分38秒376を記録してトップに浮上したが、ペトルッチ、ドヴィツィオーゾ、中上に逆転されて4番手。トータル58周を回り55周目にベストラップを記録した。

 マルク・マルケス(ホンダ)が1分38秒517で5番手に続いた。マルケスは14時30分ごろ、走行開始28周目にリーダーボードのトップに浮上したが、このタイムが初日のベストとなり、トータル50周を回った。

19年型マシンを開発するマルク・マルケス

 6番手に1分38秒659でフランコ・モルビデリ(ヤマハ)が続き、ホルヘ・ロレンソ(ホンダ)が1分38秒749で7番手に。ロレンソは11時30分すぎには走行を開始、すぐにファステストを更新し、14時10分に1分38秒749を記録してリーダーボートのトップに立つ。初日はトータル56周を回り、7番手となったが、ホンダのマシンへの適応を進めている。

 8番手に1分38秒816でジャック・ミラー(ドゥカティ)、9番手に1分38秒830でアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が続いた、今年からSBKに転向したバウティスタは、昨日までの2日間、ヘレスで行われていたSBKのテストに初参加。そのままヘレスに残り、ミケーレ・ピロ(ドゥカティ)の代わりにドゥカティのテストライダーとして、今回のテストに参加した。ルーキーのジョアン・ミル(スズキ)は11時30分ごろに真っ先にコースイン。13時すぎごろに7コーナーで転倒し、この転倒でセッションは一時赤旗中断となったが、ミルはその後、マシンを乗り換えてコースに出ると、トータル52周を回り、1分38秒956でルーキートップの10番手となった。

ジャック・ミラー(アルマ・プラマック・レーシング)

 アンドレア・イアンノーネ(アプリリア)が24周を回り、20周目に記録した1分39秒008で11番手に続き、ティト・ラバット(ドゥカティ)が53周を回り、1分39秒097で12番手に。アレックス・リンス(スズキ)は2019年型のエンジンなど、ニューパーツを投入したマシンで初日の最多周回となる87周を回り、29周目に記録した1分39秒150で13番手となった。ルーキーのフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ)は1分39秒157で14番手、同じくルーキーのファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が1分39秒414で15番手に続いた。

アプリリアを駆るアンドレア・イアンノーネ

 ポル・エスパルガロ(KTM)は1分39秒552で16番手。バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)は1分39秒564で17番手。ロッシはニュータイヤでのアタックは行わなかった模様。アプリリアのテストライダー、ブラッドリー・スミス(アプリリア)が1分40秒174で18番手。ヨハン・ザルコ(KTM)が1分40秒192で19番手に続き、カレル・アブラハム(ドゥカティ)が1分40秒438で20番手、ハフィス・シャーリン(KTM)が1分40秒630で21番手に続いた。

 スズキのテストライダー、シルバン・ギュントーリ(スズキ)は1分40秒743で22番手。ルーキーのミゲール・オリベイラ(KTM)は1分41秒699で23番手。アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)の代役として今回のテストに参加したマッテオ・バイオッコ(アプリリア)は1分42秒766で24番手となった。

 以下、MotoGPヘレスオフィシャルテスト1日目タイム結果。

■MotoGPヘレスオフィシャルテスト1日目タイム結果

Pos. No. Rider Team Motorcycle Time Laps

1 9 D.ペトルッチ ドゥカティ・チーム ドゥカティ 1’37.968 44/53

2 4 A.ドヴィツィオーゾ ドゥカティ・チーム ドゥカティ 1’38.185 53/53

3 30 中上貴晶 LCRホンダ・イデミツ ホンダ 1’38.348 57/67

4 12 M.ビニャーレス ヤマハ・ファクトリー・レーシング ヤマハ 1’38.376 55/58

5 93 M.マルケス レプソル・ホンダ・チーム ホンダ 1’38.517 28/50

6 21 F.モルビデリ ペトロナス・ヤマハSRT ヤマハ 1’38.659 54/70

7 99 J.ロレンソ レプソル・ホンダ・チーム ホンダ 1’38.749 31/56

8 43 J.ミラー アルマ・プラマック・レーシング ドゥカティ 1’38.816 61/72

9 19 A.バウティスタ ドゥカティ・テスト・チーム ドゥカティ 1’38.830 36/64

10 36 J.ミル チーム・スズキ・エクスター スズキ 1’38.956 52/52

11 29 A.イアンノーネ アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ アプリリア 1’39.008 20/24

12 53 T.ラバット レアーレ・アビンティア・レーシング ドゥカティ 1’39.097 49/53

13 42 A.リンス チーム・スズキ・エクスター スズキ 1’39.150 29/87

14 63 F.バニャイア アルマ・プラマック・レーシング ドゥカティ 1’39.157 50/51

15 44 P.エスパルガロ レッドブルKTMファクトリー・レーシング KTM 1’39.241 48/58

16 20 F.クラルタラロ ペトロナス・ヤマハSRT ヤマハ 1’39.414 59/59

17 46 V.ロッシ ヤマハ・ファクトリー・レーシング ヤマハ 1’39.564 28/50

18 38 B.スミス アプリリア・レーシング・テスト・チーム アプリリア 1’40.174 64/69

19 5 J.ザルコ レッドブルKTMファクトリー・レーシング KTM 1’40.192 45/56

20 17 K.アブラハム レアーレ・アビンティア・レーシング ドゥカティ 1’40.438 29/43

21 55 H.シャーリン KTMテック3・レーシング KTM 1’40.630 38/51

22 50 S.ギュントーリ スズキ・テスト・チーム スズキ 1’40.743 31/48

23 88 M.オリベイラ KTMテック3・レーシング KTM 1’41.699 57/61

24 15 M.バイオッコ アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ アプリリア 1’42.766 44/49

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