3年目で“1軍完走”も…ロッテ平沢が激白「自分でつかみ取ったわけではない」

福浦から打撃の指導を受ける平沢大河【写真:(C)PLM】

1軍完走も「自分でつかみ取ったわけではない」

 日々の練習の成果が「結果」として徐々に表れ始め、3年目の今季は自己最多の112試合に出場したロッテの平沢大河内野手。出場機会を増やすため、本職のショートへの思いを一旦封印して、外野にも挑戦した。1年間、1軍という戦場でプレーした20歳の表情は、どこか逞しくなったようにも見える。

 そんな平沢にとって、今季「ターニングポイント」となったプレーとはどこなのか。また、今季はどんなシーズンだったのか、秋季キャンプ中に話を聞いた。

――プロ3年目の今季は、どのようなシーズンでしたか?

「ずっと内野でしたが、外野で試合に出させてもらって非常に貴重な経験をさせてもらいました。今年の経験を来年以降に生かすために、オフを過ごしていきたいです」

――今季は1年間1軍に帯同しました。

「それは自信になりましたが、自分でつかみ取ったわけではなく、『(1軍に)いさせてもらった』というのが正直なところ。来年以降は自分で1軍をつかみ取りたいです」

――ナイターの日は10時30分に球場入りし、試合後も1時間近く打撃練習をしていました。

「打撃以外にウエートトレーニングもやっていたのですが、金森前打撃コーチに『やるぞ!』と言われていました。やらなきゃいけない立場だったので、最初は金森さんについてもらっていましたが、途中からは自分で考えてやるようになり、そこから良い結果が出始めた。やって良かったなと思います」

――そこまでご自身を追い込んだ理由は?

「僕は内野の登録ですが、外野で試合に出してもらっている以上は、責任を持ってやらなければいけない。(外野手起用に)しっかり応えるためにも練習はしていましたね」

――今年「ターニングポイント」になった試合はどこですか?

「サヨナラヒットを打った『6月17日の巨人戦』です」

――この日は5月24日の日本ハム戦以来のスタメン出場でした。

「なんとか結果を出そうと思っていたので、最高の形になって良かったです。先輩方がチャンスでつないでくれましたし、僕はおいしいところが来たなと思って打席に立ちました。サヨナラ打は初めてで、いつも(ヒーローの)選手を出迎える側だったので、先輩が来てくれてうれしかったです。勝って良かったなと思って(ハイタッチを)していました」

――「ターニングポイント」に挙げた理由は?

「キャンプからずっと、打撃の基本的なことを金森さんとやってきた。それが出て良かったですし、あの試合からスタメンで出る試合が増えた。そこが大きかったですね」

自らが選ぶ「今季のベストプレー」は…

――サヨナラ打をきっかけに、外野でのスタメン出場が増えました。守備面でも投手を助けることが多かったですが、外野の守備については?

「風もあって、内野とは違う難しさがありました。フェンス際のフライは難しいですし、スローイングも内野と外野ではゴロを捕ってからのステップが違います。でも楽しい部分もありました。『肩』は僕の武器のひとつなので、そこはゲームの中で出せればいいなと思っていますし、それ以外でも球際など、捕れたらうれしい部分もあります」

――10月5日の楽天戦では、右中間への打球をダイビングキャッチして、失点を防いだ好プレーがありました。ご自身の『今季のベストプレー第1位』にも挙げています。

「田中(和基)選手の打球ですね。最初は抜けたかなと思って走っていたんですが、ギリギリでしたし、センターの岡さんがカバーに来てくれると思ったので、思い切って飛び込みました。以前、僕のエラーで岩下さんのセーブを消してしまっているので、(7月24日のソフトバンク戦、デスパイネの三塁線への当たりをファンブル)、このプレーが岩下さんのプロ初勝利につながって良かったです」

――打撃面では打率が.213でしたが、出塁率は.328と高いです。

「ボールをしっかり見られたのは大きかったです。仕留めなければいけないボールもありましたが、それをファウルにしてしまって追い込まれることが多かった。だから良い部分も悪い部分もあるのかなと思います」

――追い込まれた後、ファウルで粘って四球を選ぶこともありました。

「相手のピッチャーが嫌だと思うので、アウトになるにしても粘って球数放らせるなど、できることはやりたいなと思っていました」

――また、9月に入ってから4本と本塁打を量産しました。

「たまたまじゃないですかね。特にはこれをしたからというのはないですが、甘いボールを仕留められました」

終盤で調子を落とし、尊敬する先輩から指導を受ける

――10月2日のソフトバンク戦から8日のソフトバンク戦にかけて19打席無安打。シーズン最終盤でやや当たりが止まりました。

「技術的に足りない部分も、疲れもあったと思います。僕自身そこが課題だと思います。1年間通して同じパフォーマンスをするためにも、技術的にまだまだやることがある。そこは来年に向けてやっていきます」

――10月8日のソフトバンク戦の試合前練習には、福浦選手からティー打撃、フリー打撃とマンツーマンで打撃指導を受けていました。

「僕の癖を映像で見て、直した方がいいところを言っていただきました。色々一緒にやっていただいて、アドバイスをもらいましたね」

――シーズンが終わってからもオーストラリアのウィンターリーグに参加します。どんな課題を持っていますか?

「打撃は四球を選ぶことはもちろん、しっかり1球で仕留められるようにしたい。守備では内野がメインなので、キャンプでやってきたことを実戦で試していければいいかなと思います」

――最後に来年に向けて意気込みを。

「個人的には去年より良い成績を残せたのですが、まだまだやることはありますし、今年の経験を生かさないといけない。その部分をオフでしっかりやっていきたいです」(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

© 株式会社Creative2