自宅に遺体遺棄容疑、80代母か 「死を受け入れられず」

 自宅に母親とみられる遺体を放置したとして、神奈川県警金沢署は29日、死体遺棄の疑いで横浜市金沢区大道1丁目、無職の女(49)を逮捕した。

 逮捕容疑は1月下旬ごろ、自宅1階に80代の母親とみられる遺体を遺棄した、としている。調べに対し、容疑者は「母親の介護をしていたが、気付いたら冷たくなっていた。死んだことを受け入れられずに放置していた」などと供述。母親は1月下旬ごろに亡くなったと話しているという。

 署によると、遺体に目立った外傷はないといい、一部が白骨化していた。署は身元の確認を進めるとともに、遺体を司法解剖して死因を調べる。

 署によると、容疑者は父親(84)と母親、兄(51)の4人暮らし。容疑者が和室で母親の介護を1人でしていたとみられ、ほかの家族には「母親は具合が悪く、寝ている」などと言って、入らせないようにしていたという。

 母親の姿を長期間見ていないことを不審に思った地域住民らが区に連絡。区職員が今月27、28日に自宅を訪問したが、容疑者は母親との面会を拒んだという。相談を受け、署員が28日に布団の上で遺体を発見した。

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