獣医 関美帆子さん

獣医になろうと思ったきっかけは?

関美帆子さん ニューヨーク生まれ、東京育ち。2016年にイリノイ州立大学卒業後、セントマークス動物病院を経て、ボーラムヒル動物ウェルネスセンターに勤務。www.boerumhillvet.com

大学では最初ビジネスを専攻していましたが、クラスを受けて、これは自分がやりたいこととは違うと感じました。じゃあ何がしたいのかと考えたとき、子供のころから動物が好きだな、と。家にカメやカエルを持って帰ったり、いろんな動物と一緒に育ったりしたので、獣医の道が合っているかもと思いました。

ビジネスクラスはピリピリして競争しあうような雰囲気でしたが、動物関係のクラスは、みんなでノートをシェアしたりと仲が良くて。それもあって専攻を動物科学に変更しました。

動物関係の仕事の中でもチャレンジできる職業がいいと思い、獣医になろうと決めました。ちなみにアメリカでは、獣医になるために大学で8年勉強します。日本は6年制です。

定期健診に訪れた犬の心臓と肺の音をチェック中。健康診断は最も重要な仕事の一つ

大学卒業後は?

大学がイリノイ州の田舎だったので、都会に出たくてニューヨークの病院に応募して(笑)、マンハッタンの病院に決まりました。そこで経験ある先生から手術のテクニックも、いろいろ教わりました。そこに2年ほど勤務した後、今年8月からブルックリンの病院に移りました。

普段の仕事内容は?

手術の準備中。リスクがあるだけでなく、診断と治療の両方を行う獣医にとっても大仕事

しい患者さん(ペット)の場合は、病歴を見ながら症状に合った注射を決め、血液検査やレントゲン検査を行うこともあります。重病の場合は、飼い主さんに症状を伝えた上で治療法を決めます。また、去勢・避妊手術はもちろん、簡単な手術も行います。

治療では、昔ながらのやり方を学ぶ一方で、最新のテクノロジーも、関連記事の定期購読などをして積極的に取り入れています。

仕事で喜びを感じる瞬間はどんな時ですか? 

すぐに治せる手術は達成感があります。例えば、後ろ足が動かないワンちゃんは尿が出なくなって、検査したらおなかに石がいっぱい詰まっていました。手術で全部取り出したら、すっかり元気になってうれしかったです。タオルを食べてしまったハスキーの大手術をしたこともありますが、順調に回復して、それもうれしかったです。

飼い主との関係は?

それが一番難しいところですね。動物はどこが痛いとは言えないので、はっきり分からないことがほとんどです。ここが悪いと思っていたのに、テストしてみたら全然違うこともあります。また、難解な医学用語を、飼い主さんが分かるように説明するのも難しいところで、責任とプレッシャーはあります。

今後目指す目標は?

メディカルディレクターやパートナーといった、病院の中でもっと力のある立場になりたいです。例えばパートナーになれば、クリニックの構造を変えたり、管理的なことに関われます。そういう立場になることで、自分の意見がもっと現場に反映できて、何か問題があった時に、飼い主さんにとってより頼りになる存在になれるはずです。

スポーツ観戦が趣味で、写真はロシアワールドカップでの1枚。「いろいろな国のサッカーファンと出会えて、貴重な経験ができました」と関さん

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