ロ大統領報道官、トランプ氏ドタキャンで「有益な時間できた」

By 太田清

ロシア極東ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムでプーチン大統領に随行したペスコフ大統領報道官=9月12日(タス=共同)

 トランプ米大統領は29日、ウクライナ艦船銃撃事件を理由に、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせて予定していたロシアのプーチン大統領との会談を中止するとツイッターで表明した。トランプ氏はホワイトハウスを出発する際には「恐らくプーチン氏と会談するだろう。会談に最適な時だ」と発言していただけに、突然の「ドタキャン」と受け止められても仕方がないだろう。 

 ロイター通信によると、サンダース大統領報道官は、会談中止はG20に向かう大統領専用機内でポンペオ国務長官やボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と協議し決定されたことを明らかにした。会談中止についてトランプ大統領がプーチン氏に直接告げたかについては「承知していない」と答えた。 

 一方、ロシアメディアによると、プーチン大統領のスポークスマン、ぺスコフ大統領報道官はG20に向かう機中で「CNNと(トランプ氏の)ツイートを見ただけで、公式の情報は持ち合わせていない」としたものの、「もしそうなら、プーチン大統領はG20の場でほかの首脳との有益な会談のため、2、3時間余分な時間を持つことになる」と、米大統領との会談はG20の場での首脳外交の一つにすぎないとの立場を強調、平静を装った。

 銃撃事件でロシアとの対立を深めるウクライナのポロシェンコ大統領は、会談中止の決定を受け「なんて素晴らしい指導者の行動だ」とツイートした。 (共同通信=太田清)

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