「若い人も考えて」 被害者撮影 河野さん、長崎で講演

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 カネミ油症事件の被害者らを主に1970年代に撮影した写真家、河野裕昭さん(68)=横浜市在住=の講演会が30日、長崎市文教町の長崎大であった。河野さんは悲惨な油症被害を写真で振り返り、「いまだに2世、3世も苦しんでいる。まじめな国民を切り捨てていいのか。若い人も考えてほしい」と述べた。
 「油症事件とPCB汚染を考える2018」長崎展実行委主催。学生、市民ら約100人が聴講した。
 河野さんは北九州市で育ち、東京の大学に進学後、油症患者の撮影を進めた。
 講演では、吹き出物の膿(うみ)をつぶし合う家族や背中全面に痕が残った30代女性らの写真を示しながら「いかに過酷だったか」と述べた。油症の症状として爪の変形や黒ずみ、抜けた歯や髪などのほか、血で汚れた下着、子を抱いて不安そうな若い母親らの写真も紹介。油症で次々に亡くなっていった若い被害者の記憶をたどった。原因企業カネミ倉庫については「加害者なのに被害者のように論理をすり替えた」と批判した。
 河野さんの作品を中心とした写真展は同大中央図書館で開催中。18日まで。

写真でカネミ油症の悲惨さを振り返る写真家の河野さん=長崎市、長崎大