“メジャー最速男”が「ノンテンダーFA」に MLB公式「最も魅力的なFAの1人」

レッズからノンテンダーFAとなったビリー・ハミルトン【写真:Getty Images】

レッズが来季契約オファーせず「彼はフリーエージェントになる」

 レッズのビリー・ハミルトン外野手が球団から来季の契約オファーを受けず、フリーエージェント(FA)になるとMLB公式サイトが報じた。いわゆる「ノンテンダーFA」となった“メジャー最速男”の去就に大きな注目が集まっている。

 MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」は「球界最速の男は今、フリーエージェントである」とのタイトルで特集を掲載。そして、「レッズは外野手ビリー・ハミルトンに2019年シーズンの契約のオファーをしないため、彼はフリーエージェントになる。28歳のハミルトンは一瞬で現在最も魅力的でユニークなフリーエージェントの1人となった。彼の驚異的なスピードは球界で最も非凡な才能の1つだからである」と伝えている。

 メジャーの各球団は、メジャー登録40人枠に入る選手のうち球団が保有権を持つ選手(メジャー経験が合計6年に満たない選手)に、来季の契約をするか否かの判断を伝える必要がある。契約する選手(テンダー)にはそのまま40人枠に残して来季年俸を提示し、契約しないとされた選手(ノンテンダー)はFAとなって来季の所属先を自由に探すことができる。今年の通達期限は米東部時間11月30日午後8時(日本時間1日午前10時)となっていた。

 記事では「盗塁は1980年代と比べてクールなものではなくなったが、ハミルトンのような選手は相手投手や捕手にとって完全な悪夢である。素晴らしい盗塁数は、ハミルトンの走塁における影響力を完全に表現してはいない。彼は何年にもわたり、あらゆるクレイジーな方法で生還した」と説明。そのスピードを絶賛している。

驚異的なスピードは守備でも魅力「外野でも価値がある」

 ハミルトンが一躍有名となったのは、2012年。前年に1Aで103盗塁を記録していたが、この年は1A+と2Aでシーズン計155盗塁をマーク。驚異的なスピードの持ち主として話題となった。翌2013年にメジャーデビューを果たすと、2014年からは4年連続50盗塁以上を記録。しかし、今季は34盗塁に終わっている。

 ただ、「Cut4」では「ハミルトンがどれほど速いかを知るために多くのハイライトを見る必要はないが、スタットキャストは彼のスピードを数値で表している。2018年の彼の平均スプリント速度は30.1フィート(約9.14メートル)/秒であり、2018年で4番目に速い平均速度であった。2018年シーズンで最速の二塁打と三塁打を記録している」と称賛している。

 また、メジャー通算で打率.245のハミルトンは「メジャーリーガーとして打席ではかなり苦戦している」としながらも「彼のスピードは走塁だけでなく、外野でも価値があると証明した」と指摘。センターの守備は一級品で、快足を生かした守備範囲の広さで今季も美技を連発していた。

「ハミルトンは完璧な選手からは程遠い。彼の打撃力不足は相当なものであり、一盗することはできないという表現もある。しかし、彼の世代を代表するスピードが失われない限り、ハミルトンは間違いなく多くのチームにとって魅力的な選手である。そして、日常的に彼が不可能なことをルーティンに見せるのを見るのが好きなファンにとっても常に魅力的な存在である」

 記事は、このように締めくくられている。FAとなったスピードスターの獲得に動く球団は少なくなさそうだ。(Full-Count編集部)

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